自分育て

#1 自分育てのハンドブック

新世代を生きる 〜無宗教時代の心のガイドブック〜

「自分育て」と言うと、
どんなイメージを持たれるでしょうか?
人によっては怪しい感じがするかもしれません。
自己啓発と捉えるかもしれません。
しかし、私は自分カスタマイズ、
つまり「多様化された生き方に対応する為の調整のようなもの」と捉えています。

団塊の世代、新人類の世代、アルファ世代。
日本では、これら多様な世代が複合的に共存しています。
同じ国に生きる私たちでも、
世代間の深い溝が存在し、時には話が全く噛み合わないことがあります。
あなたは、この世代間差異をどのように感じているでしょうか?

また、昔のようにテレビが大きな影響力ある娯楽でなくなった事から、
同世代でさえも全く話が噛み合わないのが現状です。

この流れはもはや止めることは出来ず、
世代、性別でなく、その人の好きなもの、
考え方で人は勝手に分かれていくと思われます。

そしてこれらの差異に対応する教育や政治は、
もはや無理ゲーとなってしまいました。
とは言え、教育や政治を止めることはできません。
これまで通り何とかやりくりするしかないでしょう。
とりあえずは、6歳になれば満員電車のような教育機関に押し込められて、
日本国民として躾けられていくのです。

そして、働き始めれば税金という形で収入が搾り取られていきます。
同時に強制的に年金の積み立てが始まります。
やがて、定年し65歳、70歳になれば年金がもらえます。
この年金収入も一定額を超えれば市民税や所得税が搾取されます。
二重課税ではないのか?
そう疑問にも感じますが、
これが現実です。

私は政府に反対しようとしているわけではありません。
確かに、教育も政治も、全国民の幸福と安定を願っています。
しかし、その形態が崩壊し始めていることに、
多くの人が気づいているはずです。

 私自身、複雑な家庭環境で育ちました。
学校教育や会社組織に逆らいながら、
自らの道を模索してきました。
高校を卒業して以来、絶えず新たな技術を身につけるための勉強と修練を続け、
多岐にわたる職種で働いてきました。
舞台演劇からカメラマン、ライター、記者、プログラマー、イベント企画・運営、小売り、仕入れ、アクセサリー制作に至るまで、
多種多様な経験が今日の私を形作っています。
そのおかげで、現在では自分の好きなことや、
既存の仕事の隙間を見つけ、
自分で仕事を創出する能力を身につけました。

仕事は常に変容していきます。
例えば二十数年前、私はカメラマンとライターとして、
別々の組織で契約していました。
しかし、バブル崩壊後少し遅れて私の業界は事業が縮小していきました。
その際、私は両方のスキルを持っている事を強みとして売りに出しました。

ライターやカメラマン、それらをまとめるプロデューサー等、
分業が当たり前だった時代に置いて、
多くの同僚が失業していきました。
そんな中、私は変わらぬ仕事量を維持し、
報酬を1.5倍以上に増やすことができました。
何故なら、クライアントにとって、
兼業できる人材は二人分のコストを一人で賄えるため、
お得だったのです。
しかし、周囲からはその姿勢が批判されることもありました。
「ポリシーがない」というのです。
プロであればカメラかライター、どちらかに専念すべきだと。

この考え方は、メジャーリーガーの大谷翔平が
投手と打者の二刀流で日本プロ野球界に登場したとき、
多くのOBが否定的だったことと似ています。

そうなのです。
新しい挑戦には常に否定的な声が多いものです。
多くの仕事を開拓してきた私は、周囲が否定的だからこそ、
何かを始める際には根拠のない自信と、
周囲を無視できる能力が必要だと知っています。

誰しもが自分の活路を見出すには、
多様な才能とスキル、そして多少の度胸が必要なのです。
現代社会は、原始時代と違って人工物に囲まれています。
だから、ついつい近代的社会と思いがちですが、
生き抜くという点では、
現代社会の構造もジャングルと変わりません。

求められる生き抜く能力は、
ジャングルでのサバイバル術と同じくらい荒々しく、
予測不能な状況に備える事が必要です。
学校や政治に過度な期待を持つことは、
この観点から見ると非常に危険です。

従って、自分で自分の能力を見極め、
自分に合ったスキルを身に付けていく事が必要になったのです。
これが「本当の意味での働き方改革」と言えます。
世間で言う会社組織が休みの取り方や労働時間の短縮などを考える
上部だけの「働き方改革」ではなく、
個人個人が自分で考える必要があると思うのです。

そこで自分の能力を育てていく上で、
私は自分という肉体的本能(ここでは小脳と肉体)と
理性的知能(生存本能を計算することにおいて大脳とする)、
そしてそれらを俯瞰する(スピリチュアル)スキルを
別々に意識する事が大事です。
これらの能力全てを高めていく事は、
これからの時代に不可欠でしょう。

これから、私たちは一人で生き抜く狩猟民のように自分自身の才能を知り、
磨き上げ、自立した才能で会社組織とは違ったコミュニティーを形成し、
その上で農耕民族のように安定した財政を確保するようになるでしょう。

そこから大きな発見や発明が生まれ、
また産業革命のような大きな変化が起こるかもしれません。
その一つ一つの経験と流れを楽しむ、悩む、限界を越える、喜ぶ。
そんな盆栽を育てるような人生が理想だと思えるのです。
「貯金がない」
「将来が不安」というような迷信に惑わされないようにしませんか?

安定しようとすればするほど、
恐怖に駆られ、自分の可能性を自らが否定することになります。

チャンスやヒントが沢山ある一期一会を大切にし、
感謝する心と何とかなるさの気持ちを持つ。
まずはそこから始めてみようと私は思うのです。

また日々、自分をなだめるスキル。
毎日、野生的な自分に優しく語りかける俯瞰メディテーションで
心を落ち着けるよう努め、上手に現代ジャングルを生きていきましょう。
人生は突き詰めればキャンプ生活のようなもの、
そう思うと気楽なものです。