~万博を控えた浮き足立つ一年~
1966年、昭和41年。大阪万博まであと4年。
千里ニュータウンでは、万博の用地買収やインフラ整備が進む一方で、経済成長によるレジャー需要の高まりや、思わず笑ってしまうようなエピソードが満載の一年となりました。
昭和41年1月1日 新年の挨拶
元旦の朝7時5分、千里ニュータウンの日の出を捉えた写真が新聞に掲載されました。
「千里の丘に夜が明けた。そして文化と経済の夜明けも近い」
4年後の大阪万博を見据え、発展への期待が込められた挨拶で始まっています。

前年までは、吹田市長や大阪府知事の新年挨拶が浮ついた内容ばかりで、クレームが多かったようですが、今年は少し様子が違います。
吹田市長の挨拶では、新庁舎完成やアメリカ視察の話題は影を潜め、水道整備や生活環境向上、千里ニュータウン初の高校開校といった、具体的な施策が語られました。
ようやく市政の方向性が住民の生活目線に寄ってきたようです。
南センター初売り(1月2日)
新年の幕開けとともに、南センターで初売りが開催され、多くの人で賑わいました。

2月コインランドリー登場

そして、2月には南センターにアメリカ・スティングハウス社のコインランドリーが登場!
全国でも7番目の導入とのことで、当時としては最先端の設備でした。
「コインを入れたら30分で洗濯完了、おしめから背広までOK!」との宣伝文句でしたが…
**「背広はさすがにシワシワになるやろ!」**と、早くもツッコミの声が。
万博に向けての期待と不安

この年、万博の来場者数予測が3,000万人と発表され、経済効果への期待が高まりました。
「万博特需で一番儲かるのは土建業界だろう」との意見が飛び交い、案の定その予測は的中します。
千里ニュータウン豊中市域入居迫る

また、千里ニュータウンの発展とともに、豊中市域の新千里北町への入居が4月下旬から開始されることに。
しかし、「新千里〇町」という地名が、吹田市側にとってはややこしいとクレームが入り、
一時名称問題が勃発しました。
とはいえ、吹田・豊中の対立ではなく、「いっそのこと千里ニュータウンを独立市にしよう」という声まで上がるほどの盛り上がりを見せました。
また、阪急電鉄の箕面線延伸案や、地下鉄御堂筋線の江坂からの延伸構想も浮上し、都市交通の未来が議論される年でもありました。
昭和45年の日本の人口と旅行者予測と共に万博の経済効果をさぐる
これは今も昔も一緒。
万博特需と呼ばれ一番儲かるのは土建業界だろうと推測。当たってると思う。
B727登場

空港が近い千里ニュータウン、飛行機が近くで見えることで有名です。
そこで最近変わったデザインの機体にお気づきですかと新聞に紹介。
七色パンティ事件? 松の大木の運命
佐竹台2丁目のB17号棟近くにあった立派な松の大木。
団地の開発で多くの松が伐採される中、「これは残そう」と判断された一本でしたが…
ある日、住民のFさん宅が松の木に洗濯物を干し始めます。
特に問題視されたのが、Fさんの娘さんのカラフルなパンティ。
これに対し、「年頃の青少年の刺激になる!」と住民が激怒。
住宅管理事務所へ即時クレームが入り、なんとその日のうちに松の木は伐採されてしまいました。
「いやいや、先にFさんに注意すればいいのでは?」
「そもそも、娘の下着をなぜ松の木に干す?」
「そして伐採後に『なぜ切った!』と怒る住民たち…」
まるで赤塚不二夫の漫画に出てきそうな騒動に、新聞記事まで取り上げる事態に。
**「登場人物全員バカボン説」**が浮上した出来事でした。
昭和41年2月の大雪

今では珍しいですが、この頃の千里では雪だるまを作れるほどの大雪が降りました。
レジャーブーム到来! 富士五湖・箱根2泊3日の大名旅行
景気の良さを反映し、千里ニュータウンの住民たちはレジャーに熱狂。
南センターの布団屋「セラニー」が富士箱根積立旅行を企画。
1人13,000円(現在の価値で約10万円)を積み立て、前年に開通したばかりの新幹線で静岡まで行き、そこからバスで富士五湖・箱根へ。
協賛は近畿日本ツーリスト。

今なら考えられないほどの豪華旅行でしたが、当時は好景気で、こうしたプランが次々と登場しました。
視察旅行という名の税金の無駄遣い

前年、吹田市長が約1ヶ月間のアメリカ視察に行き、帰国後の新年挨拶で土産話を披露。
これに市民から「そんな話、どうでもええねん!」とクレームが殺到しました。
それにも関わらず、昭和41年も視察旅行の乱発が止まらず、
「館山、宇部、所沢、岡山…一体どこに行っとるねん!?」
「視察という名の旅行じゃないのか?」と疑惑の声が上がります。
そして、何の成果も報告されないまま、税金だけが消えていくのでした。
千里開発センター発行の「赤字新聞」問題

千里ニュータウンには、当時地方紙2紙、団地新聞2紙がありました。
加えて、千里開発センターが発行する「千里」というPR新聞が全戸に配布されていました。
しかし、この新聞が大赤字。
広告料の半分が未納のまま、赤字額は年間200万円!
さらに、編集指導員を雇い、月額3万円の報酬を支払っていた(当時の看護婦の初任給1万3千円)。
「こんな税金の無駄遣い、廃刊にすべきでは?」と厳しい声が上がる中、結局改善されることなく運営が続きました。
ヤクルトが宣伝映画会を開催(後に大問題へ…)

ヤクルトが**「選ばれし乳酸菌」**という映画を無料上映。
内容は明らかにヤクルトの宣伝でしたが、
これだけでは露骨なので、以下のようなラインナップで開催。
- 科学映画「選ばれし乳酸菌」
- 記録映画「レインジャー9号月面撮影飛行」
- 漫画「不思議なクスリ」
- 探検記録映画 ほか
このヤクルト映画、後に大問題を引き起こします…。
千里ニュータウンゴルフガーデン、オープン延期

4月1日オープン予定だった千里ニュータウンゴルフガーデン。
しかし、工事の遅れや不備が相次ぎ、結局オープンは4月下旬にずれ込むことに。
広告に掲載されたゴルフを構える男性のイラストに注目すると、
グリップの握り方がなんとも怪しい…。
「これは素人の女の子の握り方では?」と、ラウンドデビューには程遠い雰囲気。
オープン前からツッコミどころ満載のゴルフガーデンでしたが、
高まるレジャーブームに応える形で話題となりました。
高野台、念願の銭湯オープン! しかし…

これまで高野台の住民は、わざわざ佐竹台まで行かないとお風呂に入れない状況でしたが、ようやく高野台に銭湯が完成。
待ちに待った住民たちが押し寄せ、連日大盛況!
しかし、その隣にあるショッピングセンターは空き店舗だらけという、なんともバランスの悪い光景に。
佐竹台マーケット開業時は、入店希望者が殺到し話し合いが何度も行われたほど。
ところが、開業後すぐに閉店する店舗が相次ぎ、各住区のショッピングセンターも苦戦を強いられるようになりました。
高野台に至っては、建物は完成しているのに経営者が決まらず、空き店舗のまま放置されるという残念な状況に…。
「もったいない施設」として、新聞でも大きく取り上げられました。
移住者情報が詳細すぎる!?

千里ニュータウンへの新たな入居者や転出者の情報が新聞に掲載。
しかも、個人の名前と移転先まで詳しく載っていたというのだから驚きです。
「個人情報ダダ漏れ」とツッコミを入れたくなる時代でした。
春の旅行ブーム到来!

和歌山・岡山・北陸の温泉地や景勝地が、短い紹介文とともに掲載されました。
「日本人の誰もが年に一度は旅行をする」時代の到来を感じさせる記事でした。
成人式で謎のカード配布 ~またもや税金の無駄遣い~
税金の無駄遣い問題は、まだまだ続きます。

高槻市では、市議と助役が公金で祇園の芸者遊び。
茨木市では、12回にわたる公金宴会が開催され、目的も不明、参加者名簿もなし。
「吹田は大丈夫か?」と調査が入ると、成人式で謎のカードが配られていたことが発覚。
そのカードには、「66祝成人式」と書かれただけで、その他は真っ白。
なんと1,000枚印刷され、公費6万円が支払われていたというのです。
当時のハガキは1枚7円。
つまり、普通にハガキを1,000枚配れば7,000円で済んだはず。
それを8.6倍の価格で作成したとは、まさに「意味不明な浪費」。
住民からは、「これ、何の役に立つの?」と疑問の声が上がりました。
物価上昇で生活が苦しくなる

高度経済成長といえど、給与上昇が物価上昇に追いつかないという問題が発生。
この年の平均月収は62,340円(前年比7.4%上昇)
しかし、物価上昇がそれを上回り、**実質収入は戦後初のマイナス(-0.3%)**となったのです。
「給料は上がっても、それ以上に物価が上がる」という、今と変わらない悩みが広がっていました。
求人広告が急増!

前年まではほとんど見られなかった求人広告が目立つように。
人手不足が深刻化し、企業が労働者を積極的に募集する時代へと突入していました。
新千里北町の工事が遅れる

この年4月下旬に入居開始予定だった新千里北町。
しかし、3月上旬から長雨が続き、工事が遅れる事態に。
同じく千里ゴルフガーデンも影響を受け、オープンが遅れることになりました。
ヤクルトに「マンガン」混入疑惑!?

4月、ヤクルトが千里ニュータウンで「選ばれし乳酸菌」という映画を上映し、ヤクルトの素晴らしさをPR。
しかし、これが裏目に出る。

なんと、ヤクルトに**「クロレラが一切入っていない」ことが告発されたのです。
しかも、ヤクルト菌を増やすために「マンガン」**が使われているとの噂が浮上。
マンガンは、人間にとっては猛毒。
過剰摂取すると中枢神経に障害を引き起こすことがわかっています。
「ヤクルト菌にはマンガンがエサになるらしいが、人体に影響はないのか?」
「クロレラを使う必要はない。マンガンで十分だ」と社長が発言したという噂まで…。
千里ニュータウンから始まったこの告発は全国へと広がり、厚生省が調査を開始。
後に「事実無根」とヤクルト側が反論し、沈静化しましたが、
この騒動は千里ニュータウンが情報発信の拠点だったことを象徴する出来事でした。
(ちなみに、1973年のオイルショックで「トイレットペーパーがなくなる!」というデマが広がった際も、千里中央ピーコックが発信源だったと言われています)
教科書の流通が不透明

昭和38年から義務教育の教科書が無償化されましたが、
その流通が不透明で、父兄たちが不信感を募らせました。
「無償化といえども、税金から支払われている」
「印刷代の公表がないのは、おかしい」
日教組に尋ねても「頬かむり」、
政治家に聞くと「怪我人が出る」と意味深な言い回し
メディアも沈黙し、事態は闇の中へ…。
日本縦貫道路の第一歩が千里から!

今では当たり前の高速道路網ですが、その第一歩がこの年始まります。
日本縦貫道路(現在の東名・名神・九州道)の建設が発表され、
その最初の区間が吹田~宝塚間で万博に間に合うよう工事がスタートしました。
まさに千里の道が千里から!
誇らしいことです。
ただ、この時の目的は、「都市集中化を防ぐため」でしたが…
ご存知の通り、都市集中化は防げませんでしたね。
天皇・皇后両陛下、千里ニュータウンをご視察

天皇・皇后両陛下が新千里山駅(現・南千里駅)にご到着。
駅前の南センターには、小学生をはじめ多くの住民が日の丸の旗を振り、
空には共同通信社のヘリコプターが飛び交うなど、まさに一大イベントとなった。

しかし、新聞の中にはこんな皮肉めいた記事も。
「ご視察に合わせて、見栄えの良い部分だけを整備し、その他の地域は放置」
これは暗に、行政の”黒い部分”を指摘しているのではないか…?
日本初の電鉄スト、歩いて通勤する市民たち

昭和41年、ついに日本初の電鉄ストが決行された。
阪急千里山線も運行をストップし、通勤・通学の人々は線路を歩くことに。
政治家や公務員の待遇がうなぎ上りになる一方、
一般市民の生活が後回しにされている不満が、このストを引き起こしたのだった。
新聞には、線路を歩く学生たちの姿が印象的に掲載された。
テレビと赤ちゃん ~教育への影響は?~

テレビの普及により、「赤ちゃんに悪影響では?」と心配する声が高まる。
これを受け、大学の研究機関がテレビと子供の関係を研究。
調査の結果、子供は自分が経験したことがある映像には強く反応するが、
未経験のものには関心を示さないことが判明。
つまり、
🚲 自転車に乗ったことがある子供は、テレビの自転車のシーンに興奮する
🚲 乗ったことがない子供は、ほぼ無反応
「実体験を増やさなければ、テレビの内容すら理解できない」
という研究結果に、親たちの意識も変わりつつあった。
させないとテレビを見ても何が映ってるのか分からず意味がないと学者の研究結果。
阪大移転、ついに起工式へ

中之島にある阪大病院の移転が決定し、吹田キャンパスの起工式が行われた。
地鎮祭の後、鍬入れが新聞に掲載されるなど、
ニュータウンの”知の拠点”が着実に形になりつつあった。
当時の自転車価格に驚愕! 🚲

新聞広告には、昭和41年当時の自転車価格が掲載されている。
- 26インチ・3段変速付き → 14,000円
- 26インチ・変速なし → 9,800円
- 24インチ → 6,450円
- 22〜16インチ → 5,450円
当時の給与を考えると、まさに高嶺の花だったことが分かる。
藤白台マーケットは大盛況! 高野台との差が鮮明に…

藤白台マーケットが開店1周年を迎え、大盛況のセールを実施。
前年には吉永小百合さんが映画撮影でマーケットを訪れたこともあり、
その影響もあったのかもしれない。
一方、高野台のマーケットは経営者不足で空き店舗が目立つ状態。
同じニュータウン内でも、商業施設の明暗がくっきりと分かれ始めていた。
「人類の進歩と調和」 万博構想が本格化

大阪万博の開催が本格化し、その目的が新聞で語られる。
☑ 日本を世界に知ってもらう
☑ 日本の技術・文化の向上をアピール
☑ 戦後復興を経て、世界に日本の進歩を示す
そして、千里ニュータウンは「巨大なパビリオンの一つ」として計画され、
宗教を持ち込まない”近未来都市”としての実験場と考えられていた。

そのため、お寺や神社がある上新田地区がニュータウンから外されたという事実も。
この思想は、後にジョン・レノンが歌う「イマジン」の**”no religion too”**
にも通じるものがあるのかもしれない…。
ついに死亡事故発生 ~ゲリラ販売の影響~

この頃、千里ニュータウンのショッピングセンター周辺では
週末になると行商人の車が大挙して押し寄せ、
野菜や魚、衣料品などがゲリラ販売されていた。
そしてついに、30歳の男性がダンプに押しつぶされ死亡する事故が発生。
🚗 ゲリラ販売の車による混雑
🚗 無法地帯と化す道路
🚗 児童が巻き込まれるケースも多発
「野放し状態の行商対策が急務だ」と、新聞でも警鐘を鳴らしている。

警察の黒い噂 ~無免許運転のもみ消し~
新聞配達店が無免許の配達員にバイクを運転させ、事故を起こすという問題が発生。
しかし、店主が身代わりで出頭するなど、不審な動きがあった。
さらに、警察関係者の身内が違反をしても見逃されるケースがあるという噂も…
「市民のための警察か、それとも権力者のための警察か」
という疑問が浮上していた。
吹田 vs 豊中、千里ニュータウンの覇権争い!?

行政サービスやインフラ整備で、
豊中市は「吹田市に追いつけ追い越せ!」と気合十分。
さらには、千里ニュータウンを一つの市として独立させる案まで浮上!
🛤 阪急の新線計画も検討
🚇 大阪市高速鉄道(現:大阪メトロ)の延伸構想も!?
🏡 千里ニュータウン独立市構想まで!?
千里ニュータウンの未来を巡り、吹田と豊中の競争が加熱していた。
この時点で、すでに「千里中央が中心地になる」と予測されていたことは驚きだ。
朝食抜きはマイナス! 生活習慣の変化がもたらす影響

高度経済成長により、ライフスタイルが大きく変化した昭和41年。
電気が安定供給されるようになったことで夜の活動時間が増え、
結果として朝の時間が短縮されているという問題が浮上していた。
🚆 通勤時間の増加で、朝の準備が慌ただしくなる
🍞 朝食を抜く人が増加(5人に1人は朝食を食べない)
🧠 脳機能の低下、病気のリスク増加が指摘される
この時代からすでに、「朝食を食べないと集中力が落ちる」という
健康意識が問題視され始めていた。
ボッコちゃん、千里山タイムスに無断掲載?

昭和41年7月21日の千里山タイムスに、星新一の**「ボッコちゃん」がコントとして掲載。
しかし、星新一の名前はどこにもない…
まさかの無断掲載**だったのか!?
当時の著作権意識の低さが伺える出来事だった?
詳しい方教えてください。
団地の危険、転落事故が相次ぐ! ママさんたち要注意⚠

千里ニュータウンの団地では、幼児の転落事故が続発。
🏢 前年、古江台で幼児が転落死
🏢 今年3月にも佐竹台で2歳7ヶ月の男児が死亡
新聞は、両家を直接訪ねて事故の詳細を聞き込み、
以下のような防止策を提案している。
🛑 窓際にタンスなどの家具を置かない
🛑 子供が踏み台にできる物を置かない
🛑 ベランダの柵の強度を確認する
団地ならではの生活環境が、思わぬ事故を招くことに。
新千里東町、”陸の孤島”状態で住民の不満爆発!

🚏 バスの新路線構想から外される
🚏 徒歩での移動が厳しく、買い物も大変
🚏 「万博後に駅ができるかも…?」という曖昧な情報
「東町は千里ニュータウンの心臓部になる」と言われながらも、
住民にとっては便利になる気配がまるでない…。
新千里東町はこのまま取り残されるのか? それとも発展するのか?
今後の展開に注目が集まる。
千里ニュータウン、犯罪が激減! 住民はみな善人!?

吹田警察署が発表した犯罪白書によると、
昭和41年1月〜6月の犯罪件数は前年からほぼ半減。
特に少年犯罪が減少し、昭和37年には450件もあった犯罪が激減。
(※12歳の少年による強姦事件まであったというから驚き)
しかし、新たな問題も発生。
📈 藤白台・青山台の犯罪件数が前年の2倍・4倍に増加
📈 マーケットの開店に伴い、万引きや盗難が急増
さらに、佐竹台では婦女暴行未遂事件が発生。
「夜の女性の一人歩きは厳禁」と注意喚起されている。
電話の普及、相変わらず厳しい! 新たに1,700回線が開通も…

📞 昭和38年の時点で、千里ニュータウンの電話普及率はわずか5%(4000戸中210軒)
📞 昭和41年、新たに1,700回線が開通
しかし、未だに電話待ちの世帯は5,300軒以上…。
特に古江台・青山台は深刻で、**申し込んでも開通は昭和43年(2年後)**という状態。
「電話を借りるために、隣の家を行き来するのが当たり前」
という、今では考えられない光景が広がっていた。
泉北ニュータウン、千里の成功と失敗を学びながら建設中!

千里ニュータウンの良い点・悪い点を徹底分析し、
それを活かして開発が進められているのが泉北ニュータウン。
🏞 緑地公園の整備
🚾 最新の下水処理技術
🚗 歩車分離の徹底
特に、千里では不満の多かった商業施設の配置にも細心の注意を払っている。
泉北ニュータウンは「千里以上の成功を目指す!」と、意気込んでいた。
佐竹台 牛首池に貸ボート開業

30分70円、その後30分ごとに50円という料金設定で貸ボートがスタート。
しかし、料金が高かったのか利用者はほとんどおらず、寂しい写真が新聞に掲載されている。
これから秋の行楽シーズンだというのに、早くも暗雲が…。
万国博に悲観論

4年後に控えた万博に対して、悲観的な声が続出。
・予算オーバー必至
・交通網の整備が間に合わない
・大阪地下鉄が江坂からの延伸を拒否
・阪急電鉄も消極的
誘致の際は大阪市や阪急電鉄も「全面協力」を謳っていたのに、いざ決まるとトーンダウン。
ついに「これ、本当に開催できるのか?」との声が高まる。
2歳女児、野犬に襲われ全治1ヶ月

昨年から問題になっていた野犬被害がついに深刻化。
2歳の女の子が野犬に襲われ、全治1ヶ月の重傷を負う。
これを受け、野犬狩りの強化が再び求められることに。
団地ノイローゼ

団地に住み始めてから、気分が鬱々として外に出られなくなる人が増えているという。
最近では「高層マンションうつ」なども話題になるが、すでに昭和40年代の団地でも似た現象があったようだ。
新しい住宅スタイルが登場すると、必ず一定数このような人が出てくるのかもしれない…。
プールで結婚式 → そしてプール事故

北公園プールで、花嫁と花婿が一緒に飛び込む**「水中結婚式」**が開催される。
参列者も「おめでとう!」と祝福するが、本当に嬉しいのかどうかは謎。

芋の子洗うプールの様子。
まさか!そんなハスないのに

しかしその一方で、7歳の男の子がプールで溺死する事故が発生。
楽しいニュースの裏で、水の事故が深刻な問題になっている。

ニュータウン 河童選定大会開催
ニュータウン名物のプールで、泳ぎの達者な「河童」を決める大会が開催された。
「誰が一番の河童か?」を競い合う、ユニークな催しに多くの子どもたちが参加。
万博地下鉄延伸計画、迷走する

・大阪市営地下鉄が江坂からの延伸を拒否。
・阪急電鉄も「バス増便で対応」と消極的。
・すると、近鉄の佐伯社長が「乗り入れをやらせてほしい!」と提案。
新聞は「実現の可能性は低いが、面白い話ではある」とコメント。
いまだに交通アクセスの方向性が定まらず、万博開催に向けた不安が募る。
古江台で「白黒コンクール」開催
・日焼けの黒さを競う、ユニークなコンクールが開催。
・「うちの子の方が黒い!」と母親たちの熱いバトルも勃発!?
9月15日、初の敬老の日

・戦争で子供を失った高齢者を励ますため、終戦の月命日である9月15日を「敬愛の日」として制定。
・これが**「敬老の日」**と改められ、第一回目のイベントが開催された。
・ニュータウンでも、漫才や演芸などが行われ、老人たちを喜ばせた。
フィリップス・ホームドライヤーが話題に

「お髪を美しく、お家でお気軽にセット」
ついに家庭用ドライヤーが普及し始める。
今では当たり前の家電も、この頃は最新アイテムだったようだ。
千里ニュータウン 居住者一覧発売

千里ニュータウンの住民情報をまとめた「居住者一覧」が発売開始。
・佐竹台、高野台、津雲台 → すでに完成済み
・青山台、藤白台、古江台、新千里東町、北町 → 近日発売予定
1地区100円、7地区まとめて500円という価格設定。
しかし、今では考えられないほどの個人情報の掲載(氏名・住所・番地・棟・号・世帯主まで!)。
新千里山駅前のショッピングビル、開業1年で撤退相次ぐ

・開店当初に「千里ニュータウン商業の拠点」として期待されたショッピングビル。
・しかし、開業からわずか1年で撤退する店が相次ぎ、商売の難しさが浮き彫りに。
カメラ店などが撤退し、商業のあり方に課題が残る。
どんな夫婦がうまくいくか?

新聞に掲載された、夫婦の体型別「相性診断」。
▶ 男ポッチャリ・女ガッシリ … ズボラ夫と世話女房の相性。お互いの欠点を指摘しなければOK。
▶ 男ポッチャリ・女ホッソリ … 男性が浮気しやすい? 共通の趣味がないと難しい。
▶ 男ガッシリ・女ガッシリ … 生活力旺盛。貧乏なうちは良いが、裕福になると女性が強くなりすぎる。
▶ 男ホッソリ・女ポッチャリ … 夫が世間体を気にして我慢することが多い!?
▶ 男ホッソリ・女ガッシリ … 経済力があり共働き向きの組み合わせ。
「大きなお世話だ!」とツッコミを入れたくなるが、当時の新聞にはこんな記事も掲載されていた。
北センター地区の青写真

・あと5ヶ月で北千里駅(仮称)が開業。
・新千里山駅を超える規模の開発が進められている。
・2つのスーパーストアが誕生予定。
吹田市の移動市役所に不満爆発

・30万人規模の市になるため、行政サービス強化のために「移動市役所」が計画されたが…
・住民からは「そんなものより幼稚園と保育所を作れ!」と批判の声が相次ぐ。
公立保育所を1日も早く!

・ママたちが市役所で集会を開き、保育所の増設を要求。
・しかし、行政は「予算が…」と消極的な態度。
昭和41年の総括
ニュータウンの成長とともに、新たな問題が続々と浮上した1年。
住民の数が増えるほど、交通・行政・商業・教育の課題も深刻化。
一方で、天皇陛下の視察・万博準備・新住区の発展と、千里は未来に向かって動き続けていた。
笑いあり、涙あり、怒りありの千里ニュータウン昭和41年。
次回は昭和42年でお会いしましょう!