千里中央再開発

昭和43年の千里ニュータウン

ついに凶悪犯罪

藤白台で密室殺人事件が発生。団地は密閉された空間であり、外部からは異変が分かりにくいことが指摘される。「昼間は物音があって当然だからこそ、異変を察知しにくい」と警察が防犯を呼びかける。新聞にはモンタージュ写真が掲載されるが、その不気味さが話題に。

団地は密室犯罪に最適

団地の構造が犯罪を助長する可能性について警鐘を鳴らす記事が掲載される。特に女性を狙った犯罪が増加傾向にあり、住民の不安が高まる。驚くべきことに、強姦未遂事件の犯人は同じ団地の自治会幹部だったという。

ピーコック革命

女性だけでなく、男性のオシャレも重視される時代に突入。「ピーコック革命」と銘打ち、流行審議会が「1968年の理想の男性の髪型」を発表する。

新市長に暗雲

新市長就任後、小学校の校舎増築が急ピッチで進む。これは、前市長の放置によって教育環境がひっ迫していたためだ。しかし、その煽りを受け、選挙公約であった幼稚園・保育所の建設計画が遅れ始める。新聞では新市長の責任を問う論調だが、そもそもの原因は前市長の怠慢ではないのかと疑問の声も。

丙午関係なしの千里ニュータウン

「丙午(ひのえうま)の女は男を喰う」との迷信が、当時も根強く残っていた。丙午の年に生まれた女性は気性が激しく、夫を不幸にするとの言い伝えがあるため、丙午の年は全国的に出生率が激減する。しかし、千里ニュータウンでは丙午生まれの子供の数がむしろ増加。合理的な考えを持つニュータウンの住民にとっては、もはや迷信に過ぎなかったようだ。

中央地区センター 地価高騰

御堂筋線の延伸と中央地区の副都心計画が発表され、地価が驚くほど高騰。前年は坪単価10万円前後だったが、半年前には20万円、そして今年に入ると30万円でも手放さない地主が現れる。
かつての阪大移転用地の買収価格が坪1万2千円、新千里北町の幼稚園用地が坪1万5千円だったことを考えると、急激な上昇ぶりが分かる。そんな中、当時勢いに乗っていたダイエーが出店を表明。さらに地価が上がると予想される。

幼稚園全員入園

政権交代から1年、新市長の公約であった「幼稚園全員入園」がついに達成される。さらに保育所も新設。
このスピード感を見ていると、全国の待機児童問題も政権の方針次第で解決できるのでは?と思わされる。

北千里、魅力ある駅へ施設充実を誓う

前年、世界初の自動改札機の導入で注目を集めた北千里駅。しかし、1周年を迎えた現在、住民からは「中途半端」との批判が相次ぐ。
特に、駅前商店のラインナップが問題視されており、「美容院や散髪屋ばかりで、魅力的な商品を扱う店が少ない」「子供が遊べる娯楽施設がない」「有名な物販店がない」との声が上がる。
2年後には千里中央が副都心として開発されるため、「北千里は急激に廃れるのでは?」と心配する住民も多い。しかし、開発担当者は「大した影響はない」と強気の姿勢。
こういう指摘があった時こそ、「真摯に受け止め、より愛される駅づくりに努めます」とでも言えたらよかったのに。

万国博 立柱式 あと2年

万博開幕まで2年を切り、会場建設が本格化。立柱式には各界の代表2,000人が出席し、各国・企業のパビリオン建設が正式にスタート。
月末には皇太子ご夫妻(現・上皇ご夫妻)が千里ニュータウンを視察されることが決定。

皇太子ご夫妻、千里ニュータウンへ

3月30日午前8時、皇太子ご夫妻のご視察を一目見ようと、南千里駅前には人だかりができる。8時45分にご到着し、南センタービル2階ホールで万博の模型などをご覧になった後、特別仕様の観光バスでニュータウンを巡回。
津雲台、藤白台、北千里駅、古江台を視察された後、千里中央公園へ。万博会場予定地を一望できる展望台に登られ、元地主や工事関係者らと挨拶。
この際、「冷房や動く歩道」について特に関心を示され、「身体障害者にも万博をゆっくり楽しめるようにしてあげてください」とお言葉を残された。

悪評の吹田給食協同組合

昭和38年に「腐敗弁当事件」で問題を起こした吹田給食協同組合(以下「吹田給食」)。その後も経営は悪化し、ついに資金繰りの破綻が発覚。
驚くことに、吹田給食は土地や建物を担保にして、なんと「四重の抵当権」を設定して借金をしていた。通常、第二抵当権までが限界で、それ以上はリスクが高すぎて金融機関も貸し渋るものだが、「吹田市が面倒を見るだろう」との思惑で、貸し付けが続いたという。
つまり、吹田市の監督責任が問われるべき事態であるにもかかわらず、市は「監督不十分だった」と弁明するのみ。監督不十分で済む問題なのか?と新聞は疑問を投げかける。
前市長時代の「佐竹台サブセンター問題」「ニュータウン開発事業部の不透明な運営」に続き、またしても吹田市のずさんな行政が露呈。

不衛生な店に注意

大阪府民生活センターが食品衛生に関するアンケート調査を実施。その結果、不衛生な店舗が多いと感じる人が多数。

【食品衛生についての意見】

  • 「大体良い」……16.2%
  • 「不衛生な店がたまにある」……63.0%
  • 「不衛生な店が多い」……20.8%

特に「汚い」との指摘が多かったのは、

  1. 屋台
  2. うどん屋(麺類屋)
  3. 駄菓子屋
  4. 魚屋
  5. 惣菜屋

さらに、「不衛生な商品を購入し、クレームを入れた際の対応」についても調査。

  1. 「取り替えてくれた」……68%
  2. 「返金してくれた」……15%
  3. 「何の対応もなし」……8%
  4. 「値引きしてくれた」……5%
  5. 「反対に文句を言われた」……4%
  6. 「その他」……1%

「交換対応してくれた」店舗が多いのはまだ良いが、「クレームを入れたら逆ギレされた」という4%の回答がリアルすぎる。
「安いものにはそれなりの理由がある」と肝に銘じるべきなのかもしれない。

1 2 3 4 5