自分育て

53番目「霎時施(しぐれときどきほどこす)」#03

2022年10月28日
二十四節気の「霜降」
次候「霎時施」になりました。

24個の節気の中の18番目「霜降」
72個の候の中の53番目「霎時施」
秋最後の節気の真ん中の候です。

霎時施 しぐれときどきほどこす

パラパラと通り雨のような雨が降り始める頃、
先日までの晴天続きは徐々に少なくなって、
雲が立ち込め雨かと思えば、
またすぐに青空が顔を出すという不安定な天気になります。

初時雨は、
人々や動物たちに「そろそろ冬支度ですよ!」の合図だと言われています。

一雨毎に気温が下がってきます。
お布団の厚さや枚数が増える今日この頃です。

冬支度

さて、先日、霜降=内省のお話をさせていただきました。
みなさんはいかがでしたでしょうか?

私はたくさんの内省材料がございました。
アイデアノート、実際の作品作りや
また運営状況を顧みてみました。

自然界の冬支度は、
餌が取れなくなるという事が第一に挙げられます。
私たちもかつては冬を越す食糧を確保しなければなりませんでした。

そうでなくてもお正月などは
買いだめしたりもしていました。

時代は変わって、
冬を越すための食糧は考えなくても良くなりましたし、
年越しの買い溜めも今や昔の風物詩。
冬支度でやることが変わってきたように思います。
とは言え、変わっていないものもあります。

それは大掃除です。

年末に一気にやるのは負担になるので、
夏に使った扇風機や夏布団、
夏物衣類をしまっていきます。
エアコン、換気扇などのフィルターも掃除していきます。
その際、この夏もよく動いてくれました!
の感謝を込めて綺麗にしてしまいます。

そして、冬の物を入れ替わりに出していきます。
この時に、夏物で、もうくたびれてしまったもの、
冬物で出してみたけどこの冬で終わりかなと思うものを判断します。

ちょっとした断捨離がこの時訪れます。

話は変わりますが、
湖のターンオーバーはご存知でしょうか?

ターンオーバーとは、
海や湖の表層部と水底部の温度差により、
全体がかき混ぜられる自然現象です。

霜が降り出すこの季節、
海や湖は表面が外気に晒され水温が急激に下降します。
普段は表面が温かく、底が冷たい状態なのですが、
反対になるのです。

一気に冷たくなった表面の水は、重さを増して底へと移動します。
そして、底の水が表層へと持ち上げられます。
ちょっとした爆弾低気圧状態が水の中で起こるのです。
この時に底のゴミも一緒に上がってきます。
そうするとしばらく水質が目で見えるほど悪くなり、
濁りも出ます。

しばらく魚が神経質になり、
釣りには厳しい季節ですが、
そのお陰で、底にヘドロが溜まらず、
自浄作用で水質が綺麗に保たれるのです。

私たちにも、このターンオーバーが必要なように思います。

家庭用品や衣類もこの時期、海や湖のターンオーバーのように
綺麗に整理。
それが現代の私たちに残っている大事な冬支度の一つだと思うのです。

そして、
ショップ運営をしている人間にとって、
仕入れた材料、作ったアクセサリーのターンオーバーの季節とも言えます。

来年の新しい目標、新しい作品づくり、
そして何よりモチベーションのためにも、
少々赤字でも色々整理しなくてはならない!
そう思うのです。

  • 失敗した仕入れ品
  • やろうと思っていたけどできなかった作りかけの作品
  • 売れると思ったけど、意外にダメだった作品

見切れるものは見切って、
じっくり立て直すものは立て直す。

本格的な冬に向けて、
そろそろ私たちもターンオーバーしましょう!

それでは良き「霜降」「霎時施」を過ごしましょう。

次回は「楓蔦黄」11月2日〜です。