自分育て

57番目「金盞香」#07

2022年11月17日
「立冬」の
末候「金盞香」

24個の節気の中の19番目「立冬」
72個の候の中の57番目「金盞香」
冬の最初の節気の最後の候です。

金盞香 きんせんこうばし

金盞とありますので、
金盞花、いわゆるマリーゴールドやカレンデュラという、
同じく冬に咲く花を考えてしまいますが、
この金盞は水仙のことを指しているようです。

そして、水仙が実際に咲き出すのは
もう少し後で、2月3月に最盛期を迎える種も多く、
色んな候の中でも、最も季節のズレを感じる候になってます。

では、何故水仙が選ばれたのでしょうか?

水辺の仙人

水仙は切り立った海岸線の崖などに、
点々と咲き誇ります。

関西ですと、
淡路島の東海岸や南海岸に有名な水仙の群生地があります。

いずれも2月3月が観光季節です。

水仙の開花時期を考えると、
11月中頃の「金盞香」とはかなりのズレがあります。

数ある七十二候の中でも、
一番ズレがあると言われています。

では何故、こんなにもズレているのでしょうか?

それが海辺の崖に咲く花が
水辺の仙人のようであったからという、
名前の由来から来ているようです。

達観

冬に入ったこの時期、
霜が凍り始めます。
時折、強い日差しがある中、
間違って咲いてしまう花もあります。

しかし、着実に冬はやってきます。

それを慌てふためくこともなく、
しっかり受け止める。

自分自身が水仙、
水辺の仙人になったかのように振る舞う、
もしくは見習うという事なのでしょう。

二十四節気、七十二候は
自然を一体化して、
畑仕事の目安にする暦という側面が一番の役目です。

しかし、「金盞香」の候は
私たちが自然と一体化して、
自分そのものを育てていく暦という側面も含まれている事を如実に表しています。

先人の知者たちの何と嬉しいプレゼントなのでしょう!

今日か明日、
そんな気持ちで
切り立った海岸線で
冬の海風に当たりに行こうと思います。

次回は11月22日17時20分に「小雪」になります。
初候「虹蔵不見」です。