2022年11月27日
冬2番目の節気「小雪」
次候は「朔風払葉」
24個の節気の中の20番目「小雪」
72個の候の中の58番目「朔風払葉」
「朔風払葉」さくふうはをはらう
朔は訓読みで「ついたち」
方角で言うと十二支の子に当たり「北」になります。
なので朔風とは北風の事で、
日本の場合、冷たい風は北から吹き込んできます。
その冷たい北風が木々の葉を落とし、
その上、地に落ちた葉を
更に風に舞わせます。
寂しげですが、
何とも美しい日本の冬の景色です。
望み葉
冷たい風に舞う葉は
地面に落ちて来年の春の肥料になります。
その為の「望み葉」というようです。
そう考えると、落ち葉も素晴らしく思えますね!
さて、日本はほんの60年ほど前まで、
農家はこの時期大忙しでした。
米を収穫した後の藁を干して、
草鞋や縄、笠や蓑を作って雪の生活に備えたり、
冬越えの足しにしたりする為、
一家全員で働いたと言います。
しかし、今の農家は
ほとんどが閑散期だと言います。
藁などを利用する事も不要になりました。
私たちの生活の中でも、
落ちゆく葉を何かの役に立てて、
「望み葉」にする行動をとっていたのです。
そう考えると、
農家に限らず私たちの生活は
何と「ぐうたら」になってしまったのでしょう?
昔の人々の生活は、
色々とたくさんやる事があったと思います。
殆どの面で今より不便だった事でしょう、、、
炊事洗濯などの家事、
買い物、家族や知人との連絡の取り合い、
全ての面で高速化しました。
買い物など、Amazon定期便を使えば、
行かなくて済むサービスも沢山あります。
これらのおかげで私たちは、
昔の人々より、沢山の時間を手に入れました。
その多くの時間は
「望み葉」とならないでしょうか?
自分の未来の為の「希望の葉」探し
先人の人たちのお陰で、
色々なものが実り、
私たちの生活は便利になりました。
それらが私たちに細々(こまごま)とした時間を与えてくれました。
その細切れの時間を寄せ集め、
自分の将来の為の肥料にすることはできないでしょうか?
また、今年の細かな自分の経験、
その一つ一つは「希望の葉」になり得ないでしょうか?
北風に吹かれる落ち葉を見ながら
そんな事を考えたい今日この頃です。
次回は12月2日「小雪」の
末候「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」です。