2023年6月6日7時18分 、
夏3番目の節気「芒種」の
初候 「蟷螂生(とうろうしょうず)」になりました。
24個の節気の中の12番目「芒種」
72個の候の中の34番目 蟷螂生(とうろうしょうず)
※こちらの何番目という順序は古来の正月「冬至」を起点に考えております。
自分育ての自戒と目標設定の為に現代の立春起点でございませんが、
作品としてご了承いただけましたら幸いです。
芒種
芒種は、種まきの時期
芒は稲科の植物を指しており、
日本の場合、田植えをこの時期で済ませる目安となります。
麦の収穫もあるので、
農作業の労働が交差する瞬間と言えます。
比較的天候にも恵まれやすく、
穏やかな日差しの中で、野良作業。
植えられた種や苗は、希望を託された小さな命。
母なる大地で、新たな命の旅を始める。
種まきを終えた農人の背中は、
秋の大収穫を夢見て、
信頼と期待、そして幾ばくかの不安もよぎる。
育つもの、
育てるものの共同作業の始まり。
それが芒種です。
そして、夜が訪れる。星々がきらめき、月が優しく大地を照らす。静寂の中で、眠りは土の中で静かに眠り、新たな生命を待つ。明日への希望、それが指す種の時、種まきの季節。
蟷螂生(とうろうしょうず)
芒種の初候「蟷螂生」
その名の通り、蟷螂が産まれる季節。
秋に向かっての種まき、苗を植えた後、
気になるのは作物が病気にならない事。
カマキリの誕生が七十二候に入っているのは、
アブラムシやダニなどの害虫を食べてくれる益虫であるからです。
農家にとって、
「蟷螂」の鎌を振りかざす姿は自然界の小さな戦士、
その出現する瞬間を祝福しているのです。
緑の甲冑をまとい、ひっそりと葉の裏で静かに時を待つ。
独特の姿勢、
それは祈りを捧げるかのようにも見える。
カマキリは英語で mantis (praying mantis)と言いますが、
語源はギリシャ語の僧侶だそうです。
姿勢正しく、
胸元で拝んだように手を合わせているカマキリの姿に
僧侶を見たのでしょう。
カマキリが害虫を食べながら、
ジッと祈りを捧げてくれていると考えれば、
その存在は、
何とドラマティックな事でしょう。
思わずカマキリに対して祈りを捧げずにはいられません。
それが「蟷螂生」という季節です。
冬至から、
「自分育て」が始まって、
最後の「芒種」となりました。
次回の「夏至」がやってくると、
いよいよ折り返しに入ります。
カマキリに習って、
これまでやってきたことを大事に守り、
そして祈りを捧げて心を落ち着けるのも良いですね。
次回は2023年6月11日、
夏3番目の節気「芒種」の
次候 腐草為蛍 (ふそうほたるとなる)」です。