自分育て

「鶺鴒鳴 (せきれいなく)」#66

2023年9月13日 、
秋最3番目の節気「白露」の
次候 「鶺鴒鳴 (せきれいなく)」になりました。

24個の節気の中の18番目「白露」
72個の候の中の53番目「鶺鴒鳴 (せきれいなく)」

※こちらの何番目という順序は古来の正月「冬至」を起点に考えております。
ご了承くださいませ。

「鶺鴒鳴 (せきれいなく)」

秋らしい季節になり、
日中でもようやく暑さが落ち着いてきました。
重苦しい湿気もマシになり
空気が澄んできたことを感じ始めます。

そんな中、
鶺鴒は一年中鳴いているにもにも関わらず、
一番注目されるのがこの時期になります。

この時期に特に鶺鴒の鳴き声が際立つのは、
その声が秋の静けさ、落ち着き、
そして深まる季節感によく合っているからかもしれません。

その清らかな鳴き声は
まるで秋の空気が持つ透明感、
澄み切った静寂を耳でも感じて欲しいという先人のメッセージのように思うのです。

私たちは季節が移ろう事を当たり前のように感じ出すと、
寒い暑いだけで処理し、
このドラマティックな日毎に変わっていく自然界の美しさに気付かなくなってしまいます。

しかし、鶺鴒の美しい鳴き声に耳を傾ける瞬間、
私たちは本当の意味で「今」を生きている事を思い出させてくれます。

それがまさに、先人たちが私たちに伝えたかった
「大切なものは目の前にある」というメッセージではないかと思うのです。

秋の静けさと共に鶺鴒の鳴き声に聞き入ることで、
忙殺の日常から一歩引いて考え、
心の中で何が本当に大切なのかを再評価するきっかけとなりそうです。

「鶺鴒鳴」はまさに、
耳で感じる美しい秋の象徴とも言える出来事であり、
その鳴き声に耳を傾けることで、
私たちは自然と一体になり、
日常の喧騒から少し離れて心を落ち着かせることができるでしょう。

さて、
淀川に散策に出かけ、
鶺鴒の声を聞きに行きたいと思います。

次回は2023年9月18日
秋3番目の節気「白露」、
末候、「玄鳥去 (つばめさる)」です。