2023年5月15日 、
夏最初の節気「立夏」の
末候 「竹笋生 (たけのこしょうず)」になりました。
24個の節気の中の10番目「立夏」
72個の候の中の30番目「竹笋生 (たけのこしょうず)」
※こちらの何番目という順序は古来の正月「冬至」を起点に考えております。
ご了承くださいませ。
「竹笋生 (たけのこしょうず)」
竹笋生(たけのこしょうず)は、
初夏の兆しを感じさせる季節を表しています。
この時期、
長閑な夏の始まりの静寂を破るかのように、
地面から突如として現れるのが竹笋です。
たけのこは1日で1メートル以上も成長すると言われ、
その勢いはまさに圧巻。
竹の脅威的な成長を目の当たりにすると、
きっと驚く事でしょう。
竹笋たちは、
青々とした竹林の中で
まるで巨大な矢印のように空へと向かって突き進みます。
その力強さは、
生命のエネルギーそのもの、
私たちに希望を与えてくれます。
筍は眼にみえるところまで伸びる前に収穫すると、
この時期ならではの味覚です。
竹冠に旬で「筍」なわけですから、
タイミングを逃さないおまじないとして食すのもいいかもしれません。
竹の活用法
竹は先述の通り、
食用にもなりますが、
それ以外にも用途は様々です。
竹は成長が早く、
種類によっては3〜5年で20メートル以上の高さに達します。
釣竿などであれば一年で使用可能のサイズに育ち、
その後も毎年新たな竹が生えるため、
再生可能な資源として評価されています。
竹はその特性を活かして、さまざまな用途に使用されてきました
- 建築材料:竹は軽くて丈夫なので、家屋の構造材や壁の素地。鉄が不足した時の鉄筋の代替品、足場や竹垣にもなりました。さらには現代のエコ建築でも使用されています。
- 食材:新鮮な竹の若芽、つまり竹笋は食材として人気があります。特にアジア料理では、煮物や炒め物、スープなど様々な料理に用いられます。
- 道具:釣竿、農具、筆や織物の道具など、あらゆる道具の製造に利用されてきました。
- 音楽器:竹はその柔軟性と音響特性から、笛や篠笛、尺八などの音楽器に使用されます。
- 文化と芸術:竹は芸術作品や工芸品の素材としても利用され、また茶道の茶室や華道の生け花、庭園など日本文化の中で重要な役割を果たしています。
- 武器:古代では、竹はその強度と軽さから槍や矢、さらには剣の代用品として使用されました。練習の竹刀もありますね。
- パイプ:中を抜けば、水道管のような役目になります。また流しそうめんなどの道具にもなります。
- バイオ燃料:発酵させるとエタノールが得られ、現在でも研究されているようです。
このように竹は素晴らしい素材です。
かぐや姫
竹はまた、その成長の速さと堅牢さから、
繁栄と順調な成長の象徴ともされ、
多くの文化や宗教で尊ばれています。
皆さんが知っているかぐや姫は
「天上人」なわけですが、
永遠の命の象徴でもある「竹」から生まれて登場します。
お正月には「門松」を飾ります。
様々なシチュエーションで竹は縁起担ぎに使われています。
その竹の赤ちゃんが出てくるのが
この時期なのです。
「竹笋生」の季節には、自然界の奇跡に感謝し、
生命のサイクルを大切にしたいですね。
さて、竹の子が成長する姿を見ること、
また味覚を楽しむことで
「竹」生命のエネルギーを取り込みたいと思います。
次回は2023年5月21日 16時9分、
夏二番目の節気「小満」に入ります。
初候、「蚕起食桑(かいこおこってくわをくらう)」です。