2023年8月8日3時23分 、
秋最初の節気「立秋」の
初候 「涼風至(すずかぜいたる)」になりました。
24個の節気の中の16番目「立秋」
72個の候の中の46番目 「涼風至(すずかぜいたる)」
※こちらの何番目という順序は古来の正月「冬至」を起点に考えております。
ご了承くださいませ。
立秋
「立秋」とは名ばかりで、
実際には日中の暑さは夏真っ盛りを感じさせます。
私も二十四節気の素晴らしさを分かる歳になるまで、
少し違和感を覚える代表的節気がこの「立秋」でした。
しかし、今になると「なるほどこういう事か?」と感じることがあります。
例えば、早朝出かける時、日の出の時間が遅くなっていることを感じます。
少し前まで夜の7時を過ぎても明るかったのが、
最近では暗くなっていることも肌で気づいています。
確かに、昼間は夏の盛りと暑さ、
そこだけを切り取ると「秋」という言葉が付くのは少し違和感がありますが、
季節はそのものを感じるのでなく、
移りつつある変化に気づくことが醍醐味なんだなとしみじみ思うのです。
ちょうど、昨日までの「大暑」「大雨時行」で、
水打ちされて少し冷やされた大地からもその気配は感じ取れます。
朝夕の気温の変化、夜の訪れる時間の変化、
そして植物や動物の振る舞いにも少しずつ秋を迎える準備が見られ、
物悲しくも感じますが、
これこそが自然と共に生きることなのでしょう。
「涼風至 (すずかぜいたる)」
秋を感じる代表例が
「涼風至 (すずかぜいたる)」になります。
朝、同じ時間に散歩しても、
夕方買い物に出かけても、
少し前に比べると、暑さが少しマシになったと感じます。
もちろん、昼間は大暑となんら変わりない酷暑です。
しかし、これからまだまだ暑くなる!という勢いは落ちてきた、
そんな感じがするのです。
夏至はもう1ヶ月半も前なのに、
暦では「秋の始まり」
そして、今の暑さは残暑。
自然のサイクルが実際の体感とは、
少しずれている事、
そして、それはよく観察すれば気配を感じることは出来るということ、
実はものすごく重要なことを教えてくれているのだと思うのです。
気配
もし、私たちが、
暑いとか涼しいとか、
五感で感じる事をお金や時間のように「ある種の単位」でしか
季節などの自然現象がわからないとすれば、
危険予知を放棄したことと同じような物です。
「秋の気配」という言葉がありますが、
秋という季節に「気を配る」事で、
「秋」がやって来つつある事を察知するという事だと思うのです。
私たち現代人は、
この「気配」をかなり疎かにしていると思うのです。
「気配」は人間の自然に対する「危険予知能力」の入り口なのではないでしょうか?
もちろん、この能力は危険に対するものだけではなく、
豊かさや実りに対しても有効です。
もう大丈夫、
今は危ない、
このような感覚を全てネットの天気予報など、
デジタルに頼り、任せ過ぎていると思うのです。
もちろん、そういった今のテクノロジーを否定しているわけではないのですが、
それらも活用しつつ、自分の五感を研ぎ澄ます。
さて、秋の気配の先取りをしに、
散歩に行ってきます!
次回は2023年8月13日、
秋最初の節気「立秋」の
次候 「寒蝉鳴 (ひぐらしなく)」 です。