自分育て

#5 心のイップス:現代社会と教育の限界

現代は、私たち本来の社交能力限界を超えています。

先日、動物園の動物を見て、
毎日毎日多くの人々に見られて辛くないのかな?
そんな事をふと感じてしまいました。

しかし、よく考えると、
私も望まない他人との関わりを強制され、しばしばストレスを感じています。
これは動物園の動物と同じようなストレスを私も感じていると言うのと、
そんなにかわらないのではないか、、、
そう思えてなりませんでした。

知らない間に、私自身も冷たいストレスに晒され、
辛さを感じていたのです。

私たちは自我が形成される前から、幼稚園や学校で他人との関わりを強制されます。
表面上の笑顔や同調圧力に屈するよう教え込まれ、
時に「心のイップス」、
つまり心理的なストレスや不安を生み出します。

「心のイップス」とは、社会における同調圧力に屈することから生じる、
内面的なストレスや不安。

例えば、人間関係を壊さないために無理やりの愛想笑いをした経験は誰にでもあるでしょう。
また、良い人でありたいがために本当は断りたいのに断れない事も数多くあったと思います。
特に日本では「NOと言えない日本人」書籍がベストセラーになった事で知られるように、
本音を言わずに自己抑制する傾向が顕著です。
これらの行動は、社会の期待に応えようとすることからくる強迫観念の一種であり、
人間関係ストレスの代表的な同調圧力です。
そしてそれがある程度の限界を超えると、
アレルギー反応が現れ、「心のイップス」となっていきます。

心のイップスは、
社会的な期待に自分を合わせようとすることから生じます。

例えば多くの組織の規律で見られる「元気に挨拶しよう!」などの同調圧力は、
自然にできる人とできない人にとって大きな差となります。
ポジティブで快活な人は全く苦ではないでしょう。
しかし、引っ込み思案の方にはかなりの勇気が必要かもしれません。

そうして、内気な人が大きな声で挨拶できないことを強制しようとします。
こうした人が声を出せないことを悪とするのは、
その人の性格や性質を無視することに他ならないと思うのです。
終身雇用で型にはめた教育が通用しなくなった現代では、
むしろこの内気な性格が武器になる社会に回帰しているように思います。

自分時間を大切にし、自分の感情や考えを理解することが重要です。

常に他人と一緒にいるということは、
絶えず外部からのストレスを受けることを意味し、
大脳の計算的思考に頼る生き方になりがちです。
この状態では、自分の原始的な本能や俯瞰的な能力にアクセスするのが困難です。

従って、自分で自分の感情に寄り添い、
そのためにも人と関わらない時間を大切にして、
他人に影響されないように自分を守ることが櫃お湯だと思うのです。

結局のところ、私たちの幸福と精神的健康は、
外部の同調圧力から離れて自分自身を理解し、育てることにかかっています。

すでに通り一辺倒の学校教育や社会の常識は
多様性の現代では通用しなくなっています。

だからこそ自分で気づき、自分の時間を重視し、
自分の能力を育てること、
現在のところの解決策は他に見当たりません。
言ってみれば、あなたがあなた自身のカウンセラーとも言えます。

残酷ですが、
親や兄弟、学校の先生さえ、
全く頼りにならず、
むしろ害悪になることもあり得ます。

自分自身との深い対話を通じて、
「自分育て」につながる旅を意識することは
現代ジャングルを生き抜く一歩かもしれません。