MENU
エルトンジョン

Border Song 人生の壁 日本語訳 エルトンジョン 内省と風刺ソング

目次

  1. Border Songって、どんな歌?
  2. Border Song オリジナル歌詞
  3. 人生の壁 日本語意訳
  4. 人生の壁 解説

Border Songって、どんな歌?

1970年に発表されたエルトン・ジョンのアルバム『Elton John』に収録された楽曲。エルトンの初期の作品の中でも特にメッセージ性が強い一曲で、社会の矛盾や宗教的なテーマが込められています。

エルトン自身がこの曲を「内省的でスピリチュアルな曲」と評し、ゴスペル調の力強いメロディとともに、自分の過ちを認め、人生の壁を乗り越えていく決意を歌っています。

また、リリース当初はアメリカで特に評価され、アレサ・フランクリンによってカバーされるなど、ソウルやゴスペルの影響も色濃い作品です。

Border Song オリジナル歌詞

Holy Moses I have been removed
I have seen the spectre he has been here too
Distant cousin from down the line
Brand of people who ain’t my kind
Holy Moses I have been removed 
Holy Moses I have been deceived

Now the wind has changed direction and I’ll have to leave
Won’t you please excuse my frankness but it’s not my cup of tea
Holy Moses I have been deceived 
I’m going back to the border
Where my affairs, my affairs ain’t abused
I can’t take any more bad water
I’ve been poisoned from my head down to my shoes
Holy Moses I have been deceived

Holy Moses let us live in peace
Let us strive to find a way to make all hatred cease
There’s a man over there what’s his colour I don’t care
He’s my brother let us live in peace
He’s my brother let us live in peace
He’s my brother let us live in peace 

人生の壁(日本語訳)

聖なるモーゼ
私は破門されました
私は同じく破門されたという亡霊をここで見ました
彼は遠い私の従兄弟
私とは違う肌の色が違う人種です
聖なるモーゼ
私は破門されました

聖なるモーゼ
私は騙されていました
今や風向きが変わったので、
私はここを去らなければなりません
あなたは私の素直な気持ちを咎めはしませんが
私にはこのお茶は飲めません
聖なるモーゼ
私は騙されていました

私は自分の役目、初心に立ち返ります
これ以上、ぬるま湯につかっている訳にはいきません
私は髪の毛から爪の先まで毒されていました
私は去らなければなりません

聖なるモーゼ
私たちは平和に生きるべきだ
憎しみから解放される方法を模索しよう
あそこにいる彼の肌の色がどんな色であろうが関係ない
彼は私の兄弟なんだ
平和に暮らそう
彼は私の兄弟
平和に暮らそうよ
彼は私の兄弟
平和に暮らそう

Border Song 人生の壁 解説

この曲は、宗教的な要素が含まれながらも、より普遍的なテーマとして「社会の不条理」や「人間の内なる葛藤」を描いています。

1. 社会の矛盾と自己の目覚め

バーニー・トーピンの歌詞には、社会の中で「異質なもの」として扱われる人々への視線が感じられます。宗教、人種、階級…さまざまな壁が存在する世界で、歌の主人公はそれらに違和感を抱き、やがてその場を去る決意をします。

この部分は、たとえば理想を抱いて社会に出たものの、現実の不条理や矛盾を目の当たりにし、初心に立ち返る人々の姿にも重なります。

「警察官や政治家、銀行マン、法律家など、社会の正義を担う仕事に就いたものの、現場の不誠実さに絶望し、別の道を歩む」

そんな話を聞くことがありますが、この歌の主人公もまさにその境地にいるのかもしれません。

2. 差別や偏見を超えて

ラストの「He’s my brother, let us live in peace(彼は私の兄弟だ、共に平和に生きよう)」というフレーズは、この曲の最も力強いメッセージです。

現代でも人種、国籍、宗教の違いから生まれる争いは絶えませんが、エルトンとバーニーは、音楽を通じて「壁を乗り越え、共に生きよう」と訴えかけています。


Border Songが持つ意味

この曲のタイトル「Border Song(人生の壁)」は、単に国境や人種の壁を指すだけでなく、**「人が人生の中で直面するさまざまな境界」**を象徴しています。

  • 夢を持って飛び込んだ世界が、想像と違っていたとき
  • 理想と現実の狭間で苦しむとき
  • 価値観の違いで人と対立したとき

そんな人生の「壁」に直面したとき、私たちは何を選択するのか?
エルトンの魂を込めた歌声は、まるでリスナー自身に問いかけているかのようです。


まとめ

エルトン・ジョンとバーニー・トーピンが20代前半に生み出したこの楽曲は、彼らのキャリアの中でも特に深みのある作品のひとつです。

宗教的な背景を持ちながらも、そこに込められたテーマは普遍的であり、時代を超えて多くの人々の心に響きます。

エルトンが若き日に歌い上げたこの「懺悔の歌」は、現代の私たちにとっても、大切なメッセージを届けてくれるのではないでしょうか。