エルトンジョン

風の中の火のように 日本語訳と解説 エルトンジョン

目次

  • Candle In The Windって、どんな歌?
  • Candle In The Wind オリジナル歌詞
  • 風の中の火のように 日本語意訳
  • 風の中の火のように 解説

Candle In The Windってどんな歌?

クリちゃん

この歌はね、
ハリウッドの大スター、
マリリンモンローを偲ぶ歌だよ!

ローズちゃん

私たちの世代じゃ、
ピンとこないわね!

クリちゃん

確かに、そうだね!
ただ、マリリンモンローの映画を見たんだけど、
マリリンモンローは単なるセックスシンボルってだけでなく、
とてもたくましくて賢い女性を演じてるんだ!
まだアメリカでも今ほど女性の権利は解放されてなくって、
そこに風穴を開けたアイコン的存在なんだ!

ローズちゃん

そうなんだ!

クリちゃん

うん!
それまで美しいだけが女性の武器だった感があったんだけど、
男性と対等に駆け引きする抜け目のない女性の先駆けじゃないかな?

ローズちゃん

格好良いわね!

クリちゃん

その通りだね!
当時は破廉恥と捉える人も多かったようだけど、
その後の女性の活躍に凄い影響を与えたのは間違いないと思うよ!

ローズちゃん

にしては、
題名が見るからに暗いわね、、、

クリちゃん

うん、
スターの悲哀だね。
ロケットマンにも通ずるね!

ローズちゃん

じゃぁどんな歌か教えてちょうだい!

ベルトコンベアーに乗せられるように
スター街道を走ったマリリンモンロー
その孤独のメッセージソング

Candle in the Wind オリジナル歌詞

Goodbye Norma Jean
Though I never knew you at all
You had the grace to hold yourself
While those around you crawled
They crawled out of the woodwork
And they whispered into your brain
They set you on the treadmill
And they made you change your name 

And it seems to me you lived your life
Like a candle in the wind
Never knowing who to cling to
When the rain set in
And I would have liked to have known you
But I was just a kid
Your candle burned out long before
Your legend ever did Loneliness was tough
The toughest role you ever played
Hollywood created a superstar
And pain was the price you paid
Even when you died
Oh the press still hounded you
All the papers had to say
Was that Marilyn was found in the nude 

And it seems to me you lived your life
Like a candle in the wind
Never knowing who to cling to
When the rain set in
And I would have liked to have known you
But I was just a kid
Your candle burned out long before
Your legend ever did Goodbye Norma Jean
Though I never knew you at all
You had the grace to hold yourself
While those around you crawled
Goodbye Norma Jean
From the young man in the 22nd row
Who sees you as something more than sexual
More than just our Marilyn Monroe 

And it seems to me you lived your life
Like a candle in the wind
Never knowing who to cling to
When the rain set in
And I would have liked to have known you
But I was just a kid
Your candle burned out long before
Your legend ever did  

キャンドル・イン・ザ・ウインド (日本語意訳)

さようならノーマ・ジーン
これまで知る由もなかったけれど、
あなたは取り巻きに囲まれながら
自分を守るために飾っていたんですね
奴らはそんな脆いあなたのまわりをはい回り、
あなたを洗脳するよう囁いた
そしてあなたをベルトコンベアーに乗せ、
名前までも変えさせてあなたを作り上げました

そんなあなたの人生が
風前の灯火のように私には見えるのです
雨が降り出そうとも
誰にもすがる事が出来ない
僕はあなたの事を知りたいと思ったけど
まだほんの子供だったので
良く知る前にあなたの命の火は消えてしまいました
そして、伝説だけが永遠となりました

孤高は辛い
あなたが務めた中でも一番つらい役柄だったでしょう
ハリウッドはスーパースターを作り上げ
苦痛があなたの支払う代償でした
あなたが死んでからもなお
マスコミはあなたの残像を嗅ぎまわり
全ての新聞が
あなたのヌード写真が見つかったと言っては
騒ぎ立てた

そんなあなたの人生が
風前の灯火のように私には見えるのです
雨が降り出そうとも
誰にもすがる事が出来ない
僕はあなたの事を知りたいと思ったけど
まだほんの子供だったので
良く知る前にあなたの命の火は消えてしまいました
そして、伝説だけが永遠となりました

さようならノーマ・ジーン
これまで知る由もなかったけれど、
あなたは取り巻きに囲まれながら
自分を守るために飾っていたんですね

さようならノーマ・ジーン 
あなたをマリリン・モンローとしてでなく、
セックスシンボルとしてでなく
22列目の席から見ていたた若者より

僕にはあなたの人生が
健気な風前の灯火のように私には見えるのです
雨が降り出そうとも
誰にもすがる事が出来ない
僕はあなたの事を知りたいと思ったけど
まだほんの子供だったので
良く知る前にあなたの命の火は消えてしまいました
そして、伝説だけが永遠となりました

Candle in the Wind 解説

エルトンがエルヴィス・プレスリー好きなのは
大変よく知られている
しかし、エルトンによると実は同じくらいか、
もしかしたらそれ以上に好きかもしれないという
「マリリン・モンロー」
エルトンはこの伝説のハリウッド女優の大ファンだったのだ

歌詞の中にある様に
エルトンはマリリン・モンローを女性としてでなく、
無理しながらも気丈に振る舞っていた健気な生き方に共感していた。

歌の主人公
マリリンモンローは天涯孤独で孤児院育ち
親戚の家をたらいまわしにされながら16才で結婚。
19才で自分の生きる道を銀幕へと方向転換
下積みを重ね25歳でハリウッド映画の大スターとなる

しかし、彼女は愛に枯渇していた
ケネディ大統領をはじめ様々な著名人との噂が絶えず
愛を求めながら、精一杯明るく生きていたようだ

実生活では薬物中毒となり
36歳の若さで亡くなっている
死因は薬物の過剰摂取とも
殺されたとも言われている

生前のマリリンモンローは明るくスクリーンで活躍している中、
実は契約している会社とも戦っていた
不条理な契約、
それは当時のエルトンも同じであった
この歌から感じ取れるのはピエロが本来の自分に戻る姿

チャールズ・チャップリンもまたしかり
道化を演じていたチャップリンが
化粧を落とす時に
「自分は何やってるんだろうな、、、」とふと我に返る瞬間
映画「ライムライト」でも描かれている
あの寂しげで悲しげな姿、、、

エルトンがもともと好きだったマリリン・モンロー
その映画の中のマリリン・モンローは
茶目っ気たっぷりで、口が立ち、
利口で魅力いっぱいの女性。
しかし、実際は銀幕の中の彼女と
現実の孤独に闘う彼女とは随分違いがあった。

エルトンも同じであった。
自分が売れていくにつれ、
人に見られている自分「エルトン・ジョン」と
本来の自分「レジナルド・ドワイト」とのギャップ

初めは売れたい!
楽しい!が先行していたが、
ふと気付くと
心は疲弊してきている
しかも、その演じている「エルトン・ジョン」の姿に
一番の理解者であるべきバーニーさえも辟易しだしている。

大好きなマリリン・モンロー
僕は、彼女の表面しか分かっていなかった
だけど、何故、マリリンモンローに魅力を感じていたのだろう?
もしかしたら、僕は本来の「ノーマ・ジーン」に惹かれていたのかもしれない、
そうか、これはある意味、僕だ!

そんなエルトンとマリリンの悲痛な叫びのシンクロが歌になっているのだ。
凄いのはバーニーはそんな心情をしっかり詩にしていること
だからこそ、詩、曲、歌声共に完璧に調和したように思う

この歌はマリリン・モンローが好きとか
エルトン・ジョンが嫌いとか
そんな断片的な作品ではなく、
人が生きる為に
何かを演じている健気さを歌っている

1997年、ダイアナ妃の葬儀の際、
追悼曲として詩をバーニーが書き直して歌われた
ダイアナ妃の健気な生き方もまた
この歌の主役のマリリン、そしてエルトンの孤独が重なっていたように思う

この歌は空前の大ヒットとなり
幸か不幸か
世界で一番売れたシングルとなってしまった
その為、この歌の真意を分からない人たちからは
よく思われていないふしがある。
エルトンはこの歌の売上金をすべて交通遺児の施設に寄付している

ローズちゃん

また、深い歌ね、、、

クリちゃん

うん、スケールが違うとはいえ、
ピエロを演じて辛い思いをしてるっていう点では、
誰でも共感できる面はあるよね

ローズちゃん

会社、学校、家族、
どれも無理して演じる舞台みたいになることあるものね、

クリちゃん

さすがローズちゃん、