目次
- Danielって、どんな歌?
- Daniel オリジナル歌詞と日本語訳
- ダニエルが伝えるメッセージ
- まとめ – ダニエルの深い意味
Danielって、どんな歌?
1973年に発表されたエルトン・ジョンのアルバム『Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player(ピアニストを撃つな!)』に収録された楽曲「Daniel」。この曲は、
戦死した兄を思う弟の気持ちを歌った切ないバラード です。
しかし、それだけではありません。「Daniel」は、戦争がもたらす傷跡、そして組織が人間を単なる道具のように扱うことへの批判 も込められた反戦メッセージソングでもあります。
この曲は、本国イギリスでは放送禁止となりました。戦争を正当化することが当たり前だった時代に、戦争の悲劇を描いたこの曲は、国家にとって不都合な存在だったのかもしれません。
Daniel オリジナル歌詞
Daniel is travelling tonight on a plane
I can see the red tail lights heading for Spain
Oh and I can see Daniel waving goodbye
God it looks like Daniel, must be the clouds in my eyes
They say Spain is pretty though I’ve never been
Well Daniel says it’s the best place that he’s ever seen
Oh and he should know, he’s been there enough
Lord I miss Daniel, oh I miss him so much
Daniel my brother you are older than me
Do you still feel the pain of the scars that won’t heal
Your eyes have died but you see more than I
Daniel you’re a star in the face of the sky
Daniel is travelling tonight on a plane
I can see the red tail lights heading for Spain
Oh and I can see Daniel waving goodbye
God it looks like Daniel, must be the clouds in my eyes
Oh God it looks like Daniel, must be the clouds in my eyes
ダニエル (日本語意訳)
ダニエルは今夜の飛行機で発つ
スペインへ向かう赤いテールランプが見える
あぁ、ダニエルがお別れに手を振ってるのが見えるよ
神様、
僕にはあの雲がダニエルに見えるんだ
スペインは美しいところだと聞きます
僕は行ったことがないけれど
よく、ダニエルは彼が今まで行った中で
最高の場所だと言ってた
あぁ、
まさかずっといる事になるとは
彼も思わなかったよね
神様、
ダニエルに会いたいよ
ダニエルにとっても会いたいよ
ダニエルは僕のお兄さん
僕より少し年上なだけで
とっても痛い思いをしたね
もう、何も見る事は出来ないけれど
きっと、僕よりはるかに大変なモノを見たんでしょうね
ダニエル、
あなたは夜に輝く星になったんだ
ダニエルは今夜の飛行機で発つ
スペインへ向かう赤いテールランプが見える
あぁ、ダニエルがお別れに手を振ってるのが見えるよ
神様、
僕にはあの雲がダニエルに見えるんだ
あぁ、神様、
僕にはあの雲がダニエルに見えるんです
日本語意訳(一部抜粋)
💬 「ダニエルは今夜、飛行機で旅立つ」
💬 「スペインへ向かう赤いテールランプが見える」
💬 「ダニエルが手を振っているのが見えるよ」
💬 「神様、僕にはあの雲がダニエルに見えるんだ」
歌詞全体を通して、弟が兄を想う気持ちが痛いほど伝わってきます。しかし、ここで重要なのは、ダニエルが本当に生きているのかどうかが曖昧にされている ことです。
ダニエルが伝えるメッセージ
戦争の傷跡と放送禁止の理由
この曲の歌詞は、バーニー・トーピンが 「ベトナム戦争で負傷した兵士の帰国」 のニュースから着想を得て書いたものです。しかし、ただの戦争体験ではなく、そこに込められた 「戦争は本当に正義なのか?」 という疑問が、この曲を単なるバラードではなく 強烈な反戦メッセージ にしました。
ベトナム戦争は、「資本主義対社会主義」という名目のもと、アメリカとソ連が代理戦争を繰り広げたものでした。イギリスでも、当時は「正義の戦争」として報道されていました。しかし、実際には 枯葉剤による環境破壊、無差別爆撃、民間人の犠牲が日常的に行われていた戦争 でした。
この曲が発表された当時、イギリスでもベトナム戦争への賛否は大きく分かれていました。そのため、戦争の悲劇を描くこの曲は 国家の方針に反するもの と見なされ、放送禁止となったのです。
ダニエルは生きているのか?
日本でこの曲が発売された際、「ダニエルは戦争で負傷し、傷を抱えながら帰国した」と訳されることが多かったのですが、歌詞をよく見ると ダニエルはすでにこの世にいない 可能性が高いことがわかります。
🔹 「神様、ダニエルに会いたいよ」
🔹 「ダニエルは星になった」
🔹 「雲がダニエルに見える」
これらの表現は、まるでダニエルが亡くなっているかのようです。実際、戦争で兄を亡くした弟の視点から書かれた曲として考えると、より深い意味が見えてきます。
まとめ – ダニエルの深い意味
「Daniel」は、ただの兄弟の別れの歌ではなく、戦争が残した深い傷跡を描いた反戦メッセージソング です。
この曲には、戦争の是非を問うバーニー・トーピンの強いメッセージ が込められています。そして、そのメッセージを、エルトン・ジョンの美しいメロディーがさらに感動的に仕上げました。
この歌詞のストーリーは、戦争で散った若者たちの姿とも重なります。日本でいうならば、特攻隊として散った兄と、生き残った弟の物語に通じるものがあるのかもしれません。
「Daniel」は、戦争の悲劇を静かに訴えかける、切なくも美しいバラード。そのメッセージが、50年経った今でも世界中の人々の心に響き続けているのです。
最後に日本語訳のYouTube動画のリンクを貼っております、
もしよろしければご覧くださいませ。