エルトンジョン

エルトンジョン:オールタイムランキング TOP75

5位 ”Tiny Dancer” (‘Madman Across the Water,’ 1971)

エルトンの “Tiny Dancer “は当時、
Hot 100で41位を記録しただけにもかかわらず、
(失礼な言い回しは分かっているが、これまでのエルトンの実績を踏まえて、)
最も長い年月をかけて、
文化的で時代を超える普遍のメッセージ伝えることになった作品はほぼないだろう。

この見事なカントリー調のラブソングは、
バーニーの妻へのオード(頌歌)であると同時に、
ロサンゼルスの街へのオードでもあり、
これまでのエルトンの曲の中でも最も荘厳な構成が施されている。

その特殊性にもかかわらず(あるいは特殊性ゆえに)、
どういうわけか、”Tiny Dancer “は
ゆっくりゆっくり普遍的に理解されるまさに”Tiny Dancer “的作品となったのである。

トニー・ダンザにまつわるジョークから、
他のアーティストが自分の曲の中でこの曲を叫ぶと言う逸話を含め、
誰もが「タイニー・ダンサー」をほんの少し近くに置いておきたいだけなのです。by – S.D.

4位 ”Goodbye Yellow Brick Road” (‘Goodbye Yellow Brick Road,’ 1973)

エルトンとバーニーは、
イギリス人でありながら、初期の頃はアメリカ南部に強い憧れを抱いていた。
そんな中「Goodbye Yellow Brick Road」は最も素晴らしい作品である。

「オズの魔法使い」にちなんだと言われるこの曲は、
「ドロシーの友達」の名で知られるエルトンの切なくもメランコリックなバラード曲で、
第2位のヒットとなった。

エルトンは、痛々しいファルセットで歌い上げ、
次の瞬間にはため息をつくようなブルージーな歌声になるなど、
多彩な歌声を披露している。

歌詞もバーニーの最高傑作のひとつである。

バーニーは誰かが提供する贅沢なライフスタイルに別れを告げ
自分のルーツである田舎を取り戻すために去っていくような内容。

ある意味、
これはジョン自身が20年後にパーティ三昧の生活に別れを告げ、
よりシンプルで家庭的な生活を手に入れる様子とダブル。

しかし、実際エルトンは田畑を耕す事はせず、
しかもペントハウスを世界の要所要所に5件も維持するのだが、、、。by – J.L.

3位 ”Someone Saved My Life Tonight” (‘Captain Fantastic and the Brown Dirt Cowboy,’ 1975)

バーニートーピンは、
作曲パートナーであるエルトンジョンの最初の婚約者を軽蔑し、
悪者として書いた作品。

歌詞の中の彼女(婚約者)は
「甘い自由」がエルトンを解放するまで、
「縄で縛って、縛り上げる支配的な女王」だったのだ。

そのせいで、1968年にジョンが初めて自殺未遂をしたことを暗示

絶望の中で、「囁く自由」

この曲の真骨頂は
どんな恋愛映画よりドラマチックな心の開放の切り取りだ。
聞いて聞いて、この作品に入り込むと映画以上のドラマがあるのだ。
そこに入り込めるまで、
「聞くひとを選ぶ」とでも言えるような名作が持つある種のマトリョーシカ的作品。
その為、この作品をエルトンの傑作と評する人がどんどん後からやってくる、
不思議な楽曲なのです。

演劇的なストーリーテリングにマッチした、
ヘビーでありながらスロー、
そして一度聞いたら忘れられなくなる荘厳なピアノが鳴り響くメロディー、

6分44秒の「Someone saved My Life Tonight」は、
最高の構成で糖蜜の中をゆっくりと歩いているようなもの。
まさに心のシュガー・ベア。

1975年の自伝的作品『キャプテン・ファンタスティックとブラウン・ダート・カウボーイ』(ジョンがキャプテン、トーピンがカウボーイ)からリリースされた唯一のシングル。

この力強いバラードは、
その長さにもかかわらずHot 100で4位を記録し、
アルバム『キャプテン・ファンタスティック』はビルボード200で
史上初めて1位を獲得する事となりました。by – M.N.

2位 ”Your Song” (‘Elton John,’ 1970)

この曲は、エルトンの曲の中で最も広く愛されている曲であろうが、
それには理由がある。

このバラード作品は、優美なメロディと素晴らしい会話形式の歌詞が調和している。

エルトンは「とてもシンプルかもしれない」と歌っているが、
このシンプルさこそがこの曲の魅力の核心である。

エルトンは、誰かに対する自分の気持ちを言葉にしようとしているが、
必ずしもうまくいっているわけではない。

この口下手な青年に共感できない人がいるのだろうか?
何故なら、誰しもがうまく伝えられなくて、
苦しんだ経験があるからだ。

エルトンがそれをつたない言葉で代弁してくれている。

この曲は、
エルトンがブレイクしたセカンドアルバム『Elton John』のオープニング曲であり、
Hot 100で初のトップ40ヒットとなりました。
アルバムとキャリア、両方にとって「エルトンジョン」の完璧な夜明けとなったのだ。

その後、エルトンは
僕たちを様々な人生の切り取った場所に連れて行ってくれたが、
いつもこの素敵で魅力的なバラードに立ち戻ることになるのだろう。by – P.G.

1位 ”Funeral For a Friend/Love Lies Bleeding” (‘Goodbye Yellow Brick Road,’ 1973)

エルトン・ジョンは彼の人生の中で、
多くの悲しい死がつきまとっていると言っても過言ではないだろう。

彼は、亡くなった実在の人物に対して、
何らかの形で哀悼の意を表した作品がある。
その中でも取り分け、
「Song For Guy」、
「The Last Song」、
「Candle in the Wind」の複数のバージョンはヒットし、

架空の人物の死を想像した深い切り取り「Ticking」
「The King Must Die」、
「Son of Your Father」など、あまり知られていない死についての作品も発表している。

彼はおびただしい数の親友を早くに亡くし、
そのうちの2人は(本当に考えられなかったことだが)暗殺された。

そして、彼は偶然にも、
あるいは少なくとも咄嗟的な自分の意思で、
何度も自死を考えている。

そして、彼の自殺願望の経験は、
皮肉であれ真顔であれ、彼の作品の中にも反映されている。

実際、「Funeral For a Friend」に登場する「友人」は、
エルトンの過ぎ去った同胞の誰でもなく、
エルトン自身なのである。

この歌の発表後の1976年、
彼は自分の葬儀で演奏してほしい音楽を聞かれて、
アルバム『Goodbye Yellow Brick Road』の一曲目
悲しく切ない本作だと語り、
実際その思いで、この第1楽章を書いたと説明している。
「僕はそういうことにこだわっているんだ」と、、、。

エルトンがこのようなこだわりを持つことは、驚くには値しない。

全盛期のエルトンが、「Goodbye Yellow Brick Road」という
2枚組の大作を出すに当たって、
コケたら音楽界を去らねばならない覚悟で臨んだこと、
しかも当時はもちろん、
現代でもスタート曲を11分という破天荒な構成で
アルバムを責任は取ると言って推し進めた事。

結果的にそれが史上最高の2枚組傑作が世に出ることになったのだが、
エルトンのファンなら特別ショッキングな話ではないだろう。

エンジニアのDavid Hentschelが提供した
ARPシンセサイザーで構築されたインストゥルメンタルのオープニングは、
エルトン・ジョンのアルバムとしては前例のないもので、
むしろ1、2年後のピンクフロイド『Wish You Were Here』に
登場すべきだったサウンドかもしれません。

しかし、彼自身のエレガントなピアノ演奏が始まると
スッと裏方に周り、完璧なインストゥルメンタルの助演として機能する。
そうして紛れもないエルトンサウンドのヴィヴィッドさを維持しているのだ。

さぁ、ロック界の伝説的人物の埋葬にふさわしい、
壮大な葬送曲である。

スターダムにのし上がった最初の10年間に起こったいくつかの出来事を考えると、
彼はこの瞬間がいつ来るかもしれないと、
常に死と背中合わせを実感して生きてきた。

その瞬間は今日、このライブでと
予感しながら演奏していたかもしれない。

しかし、エルトン・ジョンは
その予感と脳裏をよぎる不安は外れ
早々と死に屈することはなかった。

“Funeral For a Friend “という曲自体もそうだ。
この曲はエルトンの葬送曲として生まれてきたにも関わらず、
最もエルトンの生の謳歌を表現してきた曲なのだ。

フルバンドは5分ほどで “Funeral for Friend”のペースを上げ、
そのまま自分の人生を肯定する第2部「Love Lies Bleeding」に突入、
やがてエルトンのシャウトボイスの鋭いフックに
私たちはなす術もなく引っ掛かることになる。

“Love Lies Bleeding “(血まみれの愛)印象は、
タイトルから容易に想像できる苦悩ではなく、
その演劇的なリフとロッキー・ホラー風(少なくともミートローフの原型「共に音楽スタイル」)のような尖ったエネルギーを感じる。

この曲は失恋を描いていますが、
攻撃的なギターと陽気なピアノにのせて、
エルトンが“It kills me to think of you with another man”
「君が他の男と一緒にいると思うと胸が痛む」という一節を歌っても
ハートブレイクで打ちのめされてるとは到底思えないのです。

エルトンはもう半分くらいは立ち直って、
前を向いて進んでいるように聞こえるのです。

この曲の前半で、
すでに早々に掘られて埋葬されたはずの墓穴から抜け出し、
立ち上がっているのだ。
別れたからって、落ち込むことはないだろう?

エルトン・ジョンが50年のキャリアを超えて、
まだ尚、ロックとポップミュージックの偉大な生存者の一人であることがわかった。

そして、「Funeral」/「Bleeding」は厳密には1つの作品ではないが、
この11分の曲はシングルカットされる採用される可能性すらなかったが、
エルトンにとっては今でもツアーの定番曲となっている。

コアなエルトンファンの投票による
クラシックロックのカウントダウンでは、
本作は常に上位にランクインしている。
(死をテーマにした他の曲も、この曲の中心的なギターリフをパクっている可能性がある。ガンズのアクセルローズは実際自身の「Novenber Rain」は本作へのオマージュと語っている。)。

エルトンが死を迎えるとき、
できれば今からまだ何十年も先のことであって欲しいが、
そして、それを必然として受け入れることさえ冒涜的だと思うのだが、

エルトンのことをよく知らない権力者たちが
おそらく、クリス・マーティンあたりに、
彼の追悼式で「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」を演奏させる事を願うだろう。

もし本当にそんなことになったら、
エルトンジョンのことをよく知っている僕たちは、
ミスマッチに鼻で笑うだろう、、、、

そして、エルトン本人は “Funeral For a Friend/Love Lies Bleeding “を演奏しろと
憤慨して墓から出てくる姿が想像できる、、、。- A.U.

あとがき

さて、エルトンジョンのビルボード誌のスタッフによる、
オールタイム ランキング75いかがでしたでしょうか?

私はまたじっくりと聞いてみたくなりました。
コロナで遅れていた引退ツアーも来年までの開催となり、
ネットでチケットも売られてますね。

私も行きたいと思ってます。

また行けない方も
YouTubeですぐにアップされてますから、
生けるレジェンドを是非見てみませんか?

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