目次
- My Father’s Gunって、どんな歌?
- My Father’s Gun オリジナル歌詞
- 父の銃 日本語意訳
- 父の銃 解説
My Father’s Gunって、どんな歌?
『My Father’s Gun』は、エルトン・ジョンの1970年のアルバム『Tumbleweed Connection』に収録された楽曲。
南北戦争で父を失った若者が、彼の意志を継ぎ銃を手にして戦場へ向かう姿を描く。
戦争の悲劇や正義とは何かを問いかけるとともに、愛する者を失った者の心情を切なく歌い上げた作品である。
My Father’s Gun オリジナル歌詞
From this day on I own my father’s gun
We dug his shallow grave beneath the sun
I laid his broken body down below the southern land
It wouldn’t do to bury him where any Yankee stands
I’ll take my horse and I’ll ride the northern plain
To wear the colour of the greys and join the fight again
I’ll not rest until I know the cause is fought and won
From this day on until I die I’ll wear my father’s gun
I’d like to know where the riverboat sails tonight
To New Orleans well that’s just fine alright
`Cause there’s fighting there and the company needs men
So slip us a rope and sail on round the bend
As soon as this is over we’ll go home
To plant the seeds of justice in our bones
To watch the children growing and see the women sewing
There’ll be laughter when the bells of freedom ring
I’d like to know where the riverboat sails tonight
To New Orleans well that’s just fine alright
`Cause there’s fighting there and the company needs men
So slip us a rope and sail on round the bend
I’d like to know where the riverboat sails tonight
To New Orleans well that’s just fine alright
`Cause there’s fighting there and the company needs men
So slip us a rope and sail on round the bend
父の銃(日本語意訳)
この日から
俺は親父の銃を持つ
太陽のもと、
親父の墓を掘りました
彼の傷ついた遺体を
南部の地に埋めました
ヤンキーたちが闊歩する地に
父を葬るわけにはいかない
俺は馬を駆って北の草原を行く
グレイカラーの戦闘服に身を包み
戦いに加わるんだ
俺は南軍の勝ちを見届けるまで
一時も休むつもりはない
今日から命の限り
親父の銃で戦う
今夜のリバーボートは何処に向かうか知りたいんだ
ニューオーリンズ行き
オーライ!ちょうどいい!
そこは戦いの真っただ中
軍は加勢を必要としている
停留ロープが解かれ
船が航路に出る
やがてこの戦いが終わったら家路につくだろう
俺たちの遺骨の上に正義の種が植えられ育ちゆく
子供たちの成長、
女性たちの編み物姿が見える
笑顔が溢れ
自由の鐘が鳴る
今夜のリバーボートは何処に向かうか知りたいんだ
ニューオーリンズ行き
そりゃちょうどいい、
そこは戦いの真っただ中で
軍は加勢を必要としている
停留ロープから離れた船が航路に出る
今夜のリバーボートは何処に向かうか知りたいんだ
ニューオーリンズ行き
そりゃちょうどいい、
そこは戦いの真っただ中で
軍は加勢を必要としている
停留ロープから離れた船が航路に出る
My Father’s Gun 解説
アメリカ南北戦争を舞台に描かれた、若き兵士の決意と哀しみの物語
『My Father’s Gun』は、19世紀半ばのアメリカ南北戦争を背景にした楽曲である。
この戦争は奴隷制度の存続を巡る対立から始まり、北軍(アメリカ合衆国)と南軍(アメリカ連合国)の間で4年間にわたり激しい戦闘が繰り広げられた。
本作では、南軍兵士である父を失った息子が、その意志を継ぎ銃を手にして戦場へと向かう姿を描いている。
「親父の仇を討つ」という個人的な復讐心を抱えつつも、彼は「戦争が終われば家に帰り、正義の種を蒔く」と願っている。
しかし、現実には戦争は長引き、多くの若者が命を落としていった。
エルトン・ジョンの切ないメロディと、バーニー・トーピンの詩的な歌詞が、戦争の無情さと青春の儚さを際立たせている。
日本に置き換えれば、幕末の新撰組と維新軍の戦いに似た構図とも言える。
「志を持ち戦いに挑む若者たち」と「時代の波に飲み込まれる青春」というテーマは、時代を超えて共感を呼ぶものだろう。
エルトン・ジョンは、この楽曲で南北戦争の歴史的な悲劇を単なる政治的対立としてではなく、
「家族を失った者の嘆き」や「戦場に散る若者の葛藤」として描き、より個人的な視点で戦争を捉えている。
壮大なサウンドとエモーショナルなボーカルが生み出す、時代を超えた名曲。
戦争の悲しさと、人が抱える正義の複雑さを考えさせられる一曲である。