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自分育て

「紅花栄(こうかさかう)」#32

24個の節気の中の11番目「小満」大体5月21日〜6月4日
72個の候の中の32番目「紅花栄(こうかさかう)」5月26日〜30日
「べにばなさかう」とも読みます。

「紅花栄(こうかさかう)」

紅花栄の時期になると、
ベニバナ(紅花)が咲き始める時期とされ、
そのため「紅花栄」となりました。

ベニバナはアフリカ・エチオピアが原産で、
エジプトに伝わり、中国シルクロードを辿って、
日本に伝来しました。

さて、ベニバナは古代から高価な染料として重宝されてきました。
特に日本では平安時代になると盛んに栽培され、
ベニバナは「紅」(べに)として女性の化粧品として使われるようになりました。
紫式部の頃から女性の唇を彩ってきたのですね。

また、ベニバナは日本の伝統的な染色技法「友禅染」にも使われています。
友禅染の一つである「京友禅」は、
「友禅」の中でも特に鮮やかな色彩と繊細な柄が評価され、
非常に高価なものとされています。

ベニバナの色素が非常に豊富な赤色は、
古代から現代に続くまで、多くの人々を魅了し続けているんですね。

また、ベニバナは食用油の原料としても重宝されています。
脂肪酸の含有量が低く、他の植物油に比べ健康面でも好まれています。

その他、生薬などとしても活用されています。

ベニバナは、
七十二校に登場する動植物の中でも、
実際に「美」を彩る面で私たちを楽しませてくれます。

竹や葭のように、
実用的というわけではないのです。

乱暴な言い方をすると、
贅沢品であって、
絶対に必要なものではないという事になります。

しかし、私たちの心が豊かになるような生活を考えると、
女性が紅を使ってお化粧をするのは素晴らしい事ですし、
美しい友禅染の着物を着ることを想像すると
心がワクワクします。

そう考えるとベニバナは、
人生に直接必要なものではないかもしれませんが、
私たちの生活を彩り、心を豊かにしてくれる存在です。

「美しさ」や「優雅さ」は、
人間の感性を刺激しますし、
生活に華を添えてくれます。

化粧や着物のような美の象徴は、
見る者、見られるもの互いに喜びをもたらし、
自己表現の場を提供します。

ベニバナは私の生活に「彩」を提供する事の大切さ
命の輝きの煌めく瞬間を思い出させてくれます。

さて、
美の大切さを再確認するために、
バニバナが咲き誇る姿を見にいきたいと思います。

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