24個の節気の中の7番目「春分」大体3月20日〜4月3日
72個の候の中の20番目「桜始開 (さくらはじめてひらく)」3月20日〜24日
「桜始開 (さくらはじめてひらく)」
文字通り、
桜の花が咲き始める頃です。
桜前線が北上し、
日本中、花見で賑わいます。
春分の中日、
春到来の華やかな雰囲気が日本を包み込みます。
桜
桜は今でこそ日本を代表する花です。
そのほとんどがソメイヨシノですが、
元々日本中で見られた桜ではありません。
古くは春といえば「梅」
日本を代表する花といえば「菊」でした。
しかし、日本人の生き様を体現したような「桜」は
平安時代からすでに特別な花とされ、
山に自生する桜を徐々に接木などの技術で里に持ち込み、
身近に楽しめるよう増えていった経緯があります。
その桜は殆どが八重桜だったものが、
品種改良により江戸時代にソメイヨシノが登場、
全国に植えられていったようです。
桜の魅力は、
咲きた時の淡いピンク、
控えめな色合いながら、
沢山の花が連なって咲き誇る姿が
集団を大事にする日本人の心に響きます。
そして、あっという間に散ってしまう潔さに
私たちは侘び寂びを感じ、
刹那的な生き様を愛さずにはいられないのでしょう。
最近では、欧米でも
「SAKURA」と呼ぶことも多いようです。
幹を食う
桜は、樹齢100年を超える頃から、
幹の中が空洞になるといます。
自分の中心の身を食べて、
枝葉を伸ばすと言うのです。
その為、大きな桜をよく観察すると、
根に近い幹は空洞なのが観察できます。
桜は花で私たちに「格好良い生き様」を見せてくれますが、
実は樹齢全部でも自然と自ら倒れて、
若手に道をゆずる生き様を見せてくれるのです。
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上記の画像は
京都の真如堂の現在の3代目「多て可波さ九ら」です。
以前、樹齢500年の台風の影響で皮一枚で立っていた桜があったそうです。
名物桜を残したいと言う意向で、
伝説の桜守「佐藤藤右衛門」さんが
その無惨な桜を甦らせたそうです。
そうして板のように立っている皮から
桜の花が咲くようになったそうです。
その奇妙な桜に、
子供が物珍しさで折ったりしないようにと
佐藤さんが立て札を立てたのが
現代の「多て可波さ九ら」の石碑の原型だそうです。
この自然のリサイクル機能に
何とも感心させられます。
今の花見のシーズン、
太く短い生き様を見せてくれる桜から、
考えさせられることは
とても多いように思います。
前の候
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次の候
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