自分育て

「冬至」初候「乃東生ないとうしょうず」自分育てのカレンダー#1

本来のお正月「冬至」
冬至をお正月として数年過ごしてきましたが、
実感すればするほどとても腑に落ちる気持ちになります。

「冬至」は一年で最も太陽が低くなります。(北半球において)
初候「乃東生」

多くの暦で24個の節気の中の22番目「冬至」
72個の候の中の64番目が「乃東生」とされています。
しかし、自分育てのカレンダーの観点では
冬至は正真正銘のお正月だと考えております。

なので24個の節気の中の1番目「冬至」おおよそ12月21日〜1月4日
72個の候の中の1番目「乃東生」12月21日〜25日
が本来の姿なのです。

もちろん、この記事をご覧の方で、
何を言ってるんだ!と思われる方がいても致し方ないことです。
しかし戯言を聞いてやろうという方がいらしたら、
どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

冬至

冬至は一年で最も日の短い分岐点となります。
この日を境に一陽来復(いちようらいふく)といい、
夏至に向かって日に日に日照時間が長くなっていきます。
九星気学でこの変わり目を「陽遁」といいます。

「陽遁(ようとん)」は陰が極まって陽へと転じる流れ、
反対に「陰遁(いんとん)」は陽が極まって陰へと転じる流れになります。

陽遁と陰遁、それぞれ冬至と夏至の一番近い甲子の日(六十干支最初)を変わり目と見ますので夏至、冬至とはズレが生じます。
しかし、考え方として、「一陽来復」は「陽遁」と同じ意味合いになります。

エジプト文明やインカ文明など多くの文明では冬至と夏至は非常に重要な分岐点で、
夏至の日の太陽光に合わせて大建造物を建立しています。
夏至は、陰遁となるこれから日が短くなる冬に向かう節目、
しかもその後の天気によっては収穫にも影響したので、
この夏至は世界中で神に無事を祈る祭りとなりました。

反対に冬至は日が長くなっていく節目です。
自然と陽に向かって行くため、
冬至は新しい「太陽の誕生祭」として世界中でお祭りがあります。
クリスマスも元はこの冬至祭が起源と言われています。

そして、冬至が本来の正月であるというのは
あらゆる学者も説いています。

ですから、世間が一月一日を祝おうとも、
2月3、4日の節分を春の到来と祝おうとも、
太陽の周りを周回する地球の出発は冬至ですから、
密かに一年の始まりと意識する方が理に適っているのです。

「乃東生」ないとう(なつかれくさ)しょうず

夏枯草(ウツボグサ)が芽を出す頃という意味で夏至の初候「乃東枯(なつかれくさかるる)」と丁度正反対に当たるように配置されています。

  1. 一陽来復(いちようらいふく)
  2. 陽遁
  3. 乃東生

七十二候の1番目の候が『乃東生』という事で全てがリンクします。
この3つが全て夏至に向かうスタートの言葉をして、
ピッタリと一致するからです。

その夏枯草の発芽がお正月である冬至の一つ目の候となっていますが、
実際この時期に芽がでるわけではありません。
ここが大変面白いところです。
「二十四節気七十二候」という暦は田植えや畑仕事の為の暦という事を聞いた事があります。
しかしながら実際の植物の成長とリンクしない点が多々あります。

そこでふと気づいたのです。
これは先人が時の権力者に惑わされずに、
自分のペースを築いて生きなさいというメッセージが込められているのではないか?と、、、
そうして1つ1つの気候を吟味するととても合点がいくのです。

例えば、冬至初候の「乃東生」は「夏枯草」が芽を出しましたよと、
あなたも夏に向かって何かを始めましょうね!という激励のメッセージを私たちに送ってくれているのです。

正月だからって、何も準備せずに初詣に行って柏手打ったって、
向こうから良い事がやってくる訳がありません。
そう、夏枯れ草だって芽を出すには準備していた筈です。
そう考えると、冬至までの暦は反省と準備を促すメッセージが沢山込められています。

感謝

前節気が「大雪」でした。
その為、夏枯草が芽を出したと「乃東生」で教えてもらっても
雪の下で見る事は出来ません。

では何故、
雪の下で芽を出した事を私たちに伝えているのでしょうか?

それは、
この冬至の時期に夏へ向けて活動しているような人は、
実際には陰で虎視眈々と努力していて、
目には見えないんだよ、、、。

そういった高度な意味が込められているのです。

私たちはすぐに、
頑張ったら他人に見てもらいたくなるし、
評価してもらいたいものです。

しかし、ここで登場する夏枯草は皆んなが見ていない雪の下で芽を出します。
そうして夏に花を咲かせても枯れたように見えることで決して観賞用として愛される訳でもありません。それなのに、薬にも食用にもなり健気に人々の役に立つのです。
一時的なものでなく長く人の役に立つ、格好良い生き方が夏枯草には詰まっているそんな気がしてなりません。

そう考えると、大いに「夏枯草」を見習いたい、そう思わせてくれます。

また、夏枯草」の花言葉は「感謝」
まるで、人の役に立った大人物が、
偉ぶる事なく、こちらこそありがとうと言ってくれている気がします。

さぁ、冬至、夏枯草にあらためて思いを巡らせると、
夏に向けて、頑張ろう、
いやっ、頑張らせてください!
そんな気になってきませんか、、、