1985年8月1日 オバQ朝食
朝6時半。
窓を開けると、ひんやりとした海風が部屋に流れ込んできた。
(ふぅ……)
気持ちのいい風だが、どうも体が重い。
昨日の疲れがまだ抜けきっていないし、何より腹の調子が悪い。
力が入らないような、なんとも言えない違和感。
「……まさか、日和山ユースの呪いか?」
そんなことを考えていると──
ガラッ!!!
突然、襖が乱暴に開かれた。
見ると、朝食の乗った御膳を抱えた日和山般若が、足で襖を蹴り開けたのだった。
(……おいおい、宿の人の動作じゃねぇぞ、それ……!)
そして無言のまま、ドンッ!と2人分の朝食を置く。
それを見た僕は、心の中で小さくガッツポーズをした。
(頼まなくて正解……!!)
朝食400円が高く感じて僕は昨夜のうちに頼まなかったのだが、
今、目の前にあるのは──
「オバQ飯と具なし味噌汁、漬物以上。」
日和山般若は、これ見よがしにピシャリと襖を閉める。
昨日のお寺ユースの朝食より更にストロングスタイル。
「卵もないのかよ!!」
ライダーが思わず叫んだ。
その瞬間、階下へ向かうはずだった日和山般若の足音がピタリと止まる
(……やばい!やばいぞ!!)
僕はすぐに**「もう行くわ!」**と大きな声を出し、彼女の注意をそらす作戦に出た。
再びヒタヒタと足音が動き出し、階段を降りていくのを確認する。
(あっぶねぇ……!)
僕は、ライダーとサイクリストに向かって「黙っとけ!」とジェスチャーをする。
2人は苦笑しながら頷いた。
出発前のひととき
「一緒に写真を撮ろう!」
ライダーが笑顔で提案する。
せっかくだからと、3人で記念撮影することにした。
そして、僕の相棒──このミニサイクルも、撮影の主役に。
「大阪からこの自転車で来たのかぁ……」
サイクリストがハンドルを握りながら感慨深そうに呟く。
「こいつ、根性ある自転車だねぇ。ちょっと乗ってみてもいい?」
そう言って、ライダーは僕のミニサイクルを近くでクルクルと試乗。
ご満悦の表情だった。
撮った写真には、僕たち3人の真ん中に、しっかりと自転車が写っていた。
(……こいつと一緒に、ここまで来たんだよな)
写真の中央で輝く愛車を見て、改めて旅の相棒に感謝した。
冷えたポカリと「白色尉の翁」
出発前に、昨夜頼んでおいたポカリスエットを思い出した。
昨夜の「日和山般若」との対峙の中、
背後で見守ってくれていた**「白色尉の翁」**の力を借り、
「ポカリを冷凍してもらえませんか」と頼んでいたのだ。
そして、ついに日和山般若にポカリを催促する時が来た。
「冷凍してもらったポカリ、ください。」
日和山般若は、ギロリと僕を睨みつけ、舌打ちするように冷凍ポカリを放り投げた。
「ほらよっ!ポン!」
ポン!
(……最後まで「ポン」なんかい。)
僕は落とさないようにキャッチし、ラベルを眺める。
すると、そこには優しく微笑む**「白色尉の翁」**の姿が重なって見えた。
「ありがとう、白色尉の翁……!」
僕は心の中で深く感謝し、冷たく凍ったポカリを握りしめた。
さらば、日和山ユース!
そして──ついに。
僕は、自転車にまたがった。
「じゃあ、そろそろ行くわ!」
「気をつけてな!」
「大阪から北海道まで、頑張れよ!」
ライダーとサイクリストが見送ってくれる。
僕はペダルを踏み込み、
新潟の海風を背に受けながら、**「日和山ユースの呪縛」**から解き放たれるように走り出した。
目指すは、鶴岡。
今日こそは……
「妖怪のいない宿」に泊まりたい。
(……泊まりたい……!)
そう強く願いながら、僕はペダルを漕いだ。
日和山ユース、完全攻略。
いざ、6日目の旅へ──!
絶景のシーサイドラインと白色尉の従兄弟
朝は昨日のスーパーで買ったパンと牛乳。
国道7号線で阿賀野川を渡り、しばらく進むと、国道345号線のシーサイドラインへ。
7号線に比べて道幅は狭いが、交通量が少なく、のんびりと走れる。
お腹の調子はまだ完全ではないが、体力勝負の旅。
12時、村上市に到着し、「これなら食べられそう」と山菜定食を選ぶ。
値段はちょっと高めだったが、旅先では食べられるものを食べるのが基本だ。
昼食後、7号線に戻るルートもあったが、交通量の少ない345号線をそのまま進む。
すると、思いがけず**「笹川流れ」**という絶景スポットに出た。
眩しい海、透明な水、白い砂浜——!
地元の学校の生徒たちが先生に引率され、海で泳いでいる。
大阪では学校のプールが普通だから、こんなに美しい海が授業の場になるなんて羨ましい。
眺めながら、「いいなぁ」としみじみ思う。
旅をしていると、どこまで走ったか、距離や時間が気になることが多い。
でも、この日は違った。
ただひたすら、美しい景色に心を奪われながらペダルを踏んだ。
温泉地の看板もちらほら見える。
風情のある小さな漁村を通る。
これぞ、自転車の旅の醍醐味だ。
村上市の勝木というあたりで再び7号線と合流し、進むこと約40分。
午後3時20分、ついに山形県へ突入!
10キロほど進むと、道は次第に海から離れ、山へと入っていく。
それとともに、じわじわと坂道が増えてくる。
(……苦しいな。)
ペダルが重い。
「日和山般若」の呪いか!?
いや、違う。
どうやらタイヤの空気が抜けかけているようだ。
時折リムがゴツゴツと地面に当たる感触がある。
(クソッ……これはもしや……)
「空気抜きの小鬼」の仕業か……!
僕の自転車のタイヤに、小鬼たちが群がっている気がした。
空気抜きの小鬼
出現場所 笹川流れ |
属性・・・鬼 |
気づかれない様にジワジワタイヤの空気を抜く |
旅人の自転車に群がり悪さをする |

仕方なく、持参の空気入れで空気を入れてみる。
しかし、手押しの空気入れでは十分な圧力がかからず、タイヤはまだ少し柔らかい。
その時——!
ふと目の前に、自転車屋の看板が見えた。
(助かった……!!)
白色尉の従兄弟!?
店を覗き込むと、そこには爽やかな店主がいた。
(なんだ、この神々しい雰囲気……!)
奥には立派な神棚が鎮座している。
そして、並んでいる自転車の中に、見覚えのあるものを発見した。
「あっ、『白色尉の翁』と同じ自転車!」
あまりに古くてレトロな型なので、強烈に記憶に残っていた。
そして、店主の横顔をじっと見ると……
(……どこかで見たような顔だ。)
『まさか…?遠い親戚?』
そう思った瞬間、僕の中で確信が生まれた。
「白色尉の翁の甥っ子!!」
この人、間違いなくサイクリスト明神に違いない!
サイクリスト明神
出現場所 日本海シーサイドライン |
属性・・・神 |
サイクリストの自転車を修理・安全祈願のお祓い |
爽やかなイケメン |

僕は急いでタイヤの空気が抜けかけていることを伝えた。
すると爽やかなサイクリスト明神は、気前よくこう言った。
「どれでもいいから、使って!」
その瞬間——
タイヤに群がっていた「空気抜きの小鬼」たちが、サササッと一斉に逃げ出した。
(すごい……やっぱり、本物だ!!)
店内に置かれた空気入れの中から、一番重そうで圧力の強そうなものを選び、
力を込めてシュコシュコと空気を注入する。
すると——
タイヤがパンパンに蘇った。
自転車のフレームまで、なんだか一回り大きくなったように見える。
まるで、「神聖なる息吹」を吹き込まれたかのように。
「ありがとう!!」
僕はサイクリスト明神に礼を言い、ペダルを踏み出した。
驚くほど、自転車が軽い!
まるで、昨日までの呪いが解けたかのように、スムーズに進む!!
もしかすると……
この二日間、「るらっるらっ女」と「日和山般若」によって、僕の自転車も呪いをかけられていたのかもしれない。
それくらい、走りが軽くなっていた。
「やっぱり……妖怪の影響、あったよな……!!」
僕は確信しながら、新潟の空の下、力強くペダルを踏んだ。
次の目的地は、鶴岡。
妖怪のいない、平和な宿でありますように……!!!
サイクリスト妖精の祝福
上り坂に差し掛かり、少し息が上がりながらも国道7号線を走る。
天気は快晴。空気は澄んでいて、走っていて気分がいい。
そんな時、反対車線から2人の女の子が自転車で走ってくるのが見えた。
一瞬、地元の中高生の通学かな? と思ったが、違う。
彼女たちは、明らかに旅の装備をしている。
(……まさか、女子のサイクリスト!?)
ここまでの旅の中で、僕は一度も他のサイクリストとすれ違った記憶がない。
もしかすると道幅が広すぎて気づかなかったのかもしれないし、
あるいは、ママチャリで旅をする僕を、誰も「仲間」と認識してくれなかったのかもしれない。
しかし——
すれ違うその瞬間、彼女たちはほぼ同時に温かく笑って、ふわりと手を振った。
驚きと同時に、僕も思わず手を振り返す。
(あっ……!)
一瞬の出来事だった。
だけど、その一瞬が、信じられないほど心に染みた。
山登りをする人たちは、知らない者同士でもすれ違う時に挨拶を交わす。
これは、きっとそのサイクリスト版なのだろう。
こんなに嬉しいものなのか——!?
僕は一瞬気後れしたが、彼女たちをもう一度見たくて振り返る。
すると彼女たちもこちらを見て、更に手を振ってくれた。
嬉しい!可愛い!
——でも
彼女たちは……人間じゃない。
彼女たちは、聖なる祝福を授ける「サイクリスト妖精」だ!
サイクリング妖精の姉妹
出現場所 山形県日本海沿岸 |
属性・・・妖精 |
サイクリストに勇気と元気を与える オレンジ色の風を運ぶ |
美少女サイクリスト |

彼女たちの周囲には、まるで淡いオレンジとピンクが混ざるような、夕焼け前の光の風が吹いていた。
その光の風は、まだ僕の中に燻る「るらっるらっ女」と「日和山般若」の残り火を完全に吹き消してくれた。
「あなたの、安全な旅を祈ってます!」
彼女たちは、そう言い残して消えていったような気がした。
僕の心の中には、ポッと小さな火が灯っていた。
それは憧れに似た感情であり、もしかしたら恋に近い感情だったのかもしれない。
祝福を受けた僕は、順調に走り続ける
サイクリスト明神、そして妖精サイクリスト——
彼らから力をもらったおかげで、僕は疲れを感じながらも順調に走り続けた。
4時50分。
この日の宿、鶴岡ユースホステルに到着。
鶴岡ユースホステルの夜
鶴岡ユースホステルに到着した僕は、まず受付へ向かった。
昨日までの**「妖怪ユースホステル地獄」を経験してきた僕にとって、この宿は天国に思えた。受付のお姉さんは普通に優しいし、「ポン!」とか「るらっ!」とか、意味不明な掛け声もない。
(,,,人間のようだ。)
「お風呂はもう入れますが8時まで。夕食は6時からね」
(うん、これだよこれ。普通のユースホステルってこういう感じだよね!何でこれが出来ないかなぁ)
僕はホッと胸を撫で下ろし、部屋へ向かった。
合宿?
部屋に入ると、合宿で来ているらしい高校生たちの賑やかな声がどこからともなく聞こえてくる。
「……うるさいな」
直ぐにうつらうつらしてしまう僕は、事あるごと騒ぎ声で起こされてしまった。
とにかく眠かった。
夕食の時間になっても食欲はわかず、とはいえ食べない訳にもいかない。
無理やり飯を頬張る感じで夕食を済ませた。
眠いがとにかく風呂に入らねばならない。
気合いを入れて浴室へ。
とにかく眠気との戦い。
湯船の中で寝落ちしそうになるのを必死にこらえながら、なんとか体を洗い、風呂を出る。「ふぅ……」
もう眠らせてほしい、、、
しかしまだ重要な仕事がある。
洗濯だ。
パンツもロストして汚れ物ばかりだ。
今日は洗濯をしなければならない。
僕はコインランドリーのある洗濯室へ向かった。
洗濯機に汚れ物と洗剤を入れ、コインを投入。
**「ガコン」**という音とともに洗濯機が動き出す。
(さて、あとは待つだけだな……)
部屋に戻っても、疲れて寝落ちしてしまうのは確実。
僕は洗濯機の横にある椅子に腰掛けて、そのまま目を閉じた。
——どれくらい時間が経ったのか。
「スミマセン」
——肩を軽くポンポンと叩かれる。
目を開けると、そこには金髪の美女が立っていた。
白い肌に、透き通るような青い瞳。
夜の蛍光灯の下で、彼女の髪がふわりと揺れる。
(……夢か?)
一瞬、ここがどこなのか分からなくなった。
——いや、違う。彼女は本当に目の前にいる。
金髪妖女の誘惑
「ムーブ、ムーブ」
(えっ!?)
これは——どけってこと?
それとも……一緒にどこかへ行こうってこと!?
やばい、このまま旅をやめて彼女について行ってしまいそうだ——!
しかし、よく見ると金髪妖女は僕を指差しているのではなく、洗濯機を指差している。
(……あっ、なるほど。洗濯機の使い方が分からないのか)
金髪妖女 vs. 日本のコインランドリー
彼女はすでに洗濯物を入れている。
(どんな洗濯物か気になったが、それを覗き込むのは日本男児として失格だ)
しかし、どうやら**「洗濯機は無料」**と信じて疑っていないらしい。
お金を入れるシステムが分かっていないようだ。
僕はボディランゲージを交えて必死に説明した。
「ノーマネー、ノーウォッシュ!」
ようやく理解した金髪妖女は、ポケットから小銭を取り出し、コインを投入。
——が、動かない。
(えっ? なんで?)
よく見ると、洗濯機の電源コードがコンセントに刺さっていなかった。
(あぁ、これは……入れたコインは無効だな。)
僕はヘルパーを探し、事情を説明する。
すると、ヘルパーは「なんだそんなことか」と笑いながら、コンセントを差し込み、もう一度コインを入れてくれた。
ブオォン……
洗濯機が勢いよく回り始めると、金髪妖女は嬉しそうに手を叩いた。
「ドモアリガトウ!」
彼女は胸に手を当てて、丁寧にお辞儀をする。
辿々しい日本語、しかしその笑顔と仕草の美しさに、僕は完全にノックダウンだった。

金髪妖女
出現場所 鶴岡ユースホステル |
属性・・・人間 |
金髪の青い目をした娘 |
あまりの可愛さに妖女疑惑が持ち上がる |
日本の妖怪たちより、こういう美女系のほうが圧倒的にヤバい。
一発で魂を奪われそうだ……。
(僕は……この旅を続けられるのか……?)
静寂の夜
僕の洗濯も無事に終わり、すべてを干し終えると、一息つく。
すると、宿のスタッフがやってきて、「隣町で花火大会があるから、みんなで見に行こう」と声をかけてきた。
——しかし、僕にそんな気力は残っていなかった。
夕方の疲れ、金髪妖女との激闘(?)、そして旅の疲労がどっと押し寄せる。
「いや、今日はやめときます……」
8時過ぎ、ユースにいたほぼ全員が花火を見に出かけていった。
気づけば、宿には僕と、数人の旅人だけが残っていた。
静かな夜が訪れた。
想い出ノートと金髪妖女の余韻
花火大会に行った宿泊客たちがいなくなり、ユースは静寂に包まれた。
さっきまで賑やかだった学生たちの声も、今はもう聞こえない。
(……急に寂しくなったな)
もし、疲れを押して花火大会に行っていたら——
あの金髪妖女に、もう一度会えたのだろうか?
そして、僕の旅はそこで終わりを告げ、
彼女と二人で天国を目指していたのだろうか……?
いやいやいや、何を言ってるんだ僕は!
金髪美女に洗濯機の使い方を教えただけで、勝手に運命を感じすぎじゃないか?
でも、もしかしたら——
彼女も今、僕のことを少しでも思い出してくれていたりするのだろうか?
そんなことを考えながら、僕はふと受付のカウンターに目を向けた。
そこには、分厚い**「想い出ノート」**が何冊も積み重なっていた。
(……そうだ、僕も何か書いてみよう)
ユースに泊まった旅人たちが、思い出を綴るノート。
パラパラとめくると、そこには何年分もの記録が残されていた。
「北海道を目指すライダーです!」
「このユース、最高でした!」
「カレーが美味かった!」
旅人たちの喜び、感謝、そして時には愚痴までもが書き込まれている。
僕が手に取ったノートは、No.6と書かれた最新のものだった。
(5年後、10年後……いつかまたここに来て、このノートを開いてみよう)
そんな想いを胸に、僕はノートを持って部屋へ戻り、ペンを走らせた。
何を書いたんだっけ?
——今となっては、思い出せない。
ただひとつ確かなのは、僕はあの時、
旅の途中で出会った金髪妖女のことを、どこかで待ち続けていた ということだ。
でも、結局——
その約束は果たされることはなかった。
そして今、あのユースホステルも、もう存在しない。
金髪妖女の仄かな匂いと青い目は、あのユースとともに、俺の記憶の奥深くに封じ込められた。
16歳の僕と56歳の俺の反省会
▶ 56歳の俺
「なぁ……何で花火大会、行かんかったんや??」
▶ 16歳の僕
「いや、だって……マジで疲れてたし……。」
▶ 56歳の俺
「アホか!”るらっるらっ女”と”日和山般若”を倒して生き延びたのに、最後のボス戦をスルーしたんか!!」
▶ 16歳の僕
「ボス戦!?いやいや、金髪妖女は”ボス”じゃないでしょ!!!」
▶ 56歳の俺
「ちゃうねん!!”ボス”っていうのは”倒す”もんちゃう!
あの子は……”攻略”すべきやったんや!!!!!」
▶ 16歳の僕
「いや、攻略って言い方オッサンやわぁ….」
▶ 56歳の俺
「ええか、もし花火大会行ってたら——
“日本の少年と金髪美女の、ひと夏のロマンス”やぞ!?
めちゃくちゃ映画みたいな展開になってたかもしれへんのに!!!」
▶ 16歳の僕
「……ま、まぁ…確かに、全く想像しなかった訳ではないけど…」
▶ 56歳の俺
「ほらな!!?!!!?」
▶ 16歳の僕
「でも、でも!あの時の俺には、そんなこと考える余裕もなかったんだよ!
疲れすぎてたし……それに、何か恥ずかしくて……。」
▶ 56歳の俺
「バカヤロウ!!!!”恥ずかしさ”なんて青春の敵や!!!!」
▶ 16歳の僕
「いやいや、でもそもそも彼女、日本語ほとんど通じてないし……。」
▶ 56歳の俺
「アホ!そんなんボディランゲージと”雰囲気”でどうにかなるもんや!!」
▶ 16歳の僕
「……マジで!?!?!?」
▶ 56歳の俺
「マジや!!!!”ドモアリガトウ”で心を通わせたなら、それはもう立派な”恋の始まり”やったんや!!!」
▶ 16歳の僕
「……ど、どうしたんですか……?」
▶ 56歳の俺
「……いや、わからんけど。
でも、行ってたら何か違う未来があったかもしれんやん?」
▶ 16歳の僕
「………」
▶ 56歳の俺
「だから今、俺は思うわけよ。
“青春の一番大事な選択肢は、絶対にスルーしたらあかん!!”ってな。」
▶ 16歳の僕
「……56歳になって、当時の僕より熱なってるやん!」
▶ 56歳の俺
「そらそうやろ!!!”金髪妖女”が目の前に現れるなんて、人生にそう何回もないんやから!!!!!」
- あなたは旅先で気づいたら恋に落ちた事はありますか?
- また、今でもアーしてたら、こーしてたらという後悔はありますか?
コメントでぜひ教えてください!😊
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