紫外線魔王再び! 乾涸び山姥 & 脱水ドクロの猛攻!
快晴。いや、快晴すぎる。
折角タオルを巻いたりして日焼け対策したにも関わらず、
この日は脂汗が出る腹痛の為、そちらに気を取られてしまった。
肌をさらして走った結果、治りかけた日焼けの上から日焼けという悲惨な状況。
そこを「紫外線魔王」が太陽のボリュームを全力にして照りつけた。
ヤツは全く諦めてなかった。
「ククク……メロンとスイカの腹痛に気を取られているな?
その隙に、さらに焼き尽くしてやろう!」

気づけば、僕の腕は紫色になり、水ぶくれができている。
「ヤバい!またやられる!」
僕は慌てて、トレーナーを水で濡らし、全身を覆った。
これで一安心かと思いきや——
乾涸び山姥の罠
象潟駅でトイレに駆け込んだ後、近くの薬局で日焼けの薬を探す。
僕の腕を見るなり、おばさん店員が不気味な笑みを浮かべた。
「お前の肌……もう終わりだね。フフフ……ヒリヒリするだろう?
やがてジュウジュウ焼けて、真っ黒に焦げるんだよォ……!
そして最後は皮膚がんだー!カサカサッ!」
何や!!こいつ!人間じゃない!
この乾いた声、妙にパサパサした手……
紫外線魔王の手下「乾涸び山姥」だ!!

カサカサの吐息が僕にまとわりつく。
「おおおおおっ!こ、こいつはやばい!」
僕は慌てて店を飛び出し、オロナインを塗りたくった。
「脱水ドクロ」、襲来!
僕は水で濡らしたトレーナーを着込み、**「紫外線魔王」**の熱射から身を守る作戦に出た。
風に当たると、ヒンヤリして気持ちいい。
「これで完璧!」と思ったのも束の間……
ゴロゴロゴロゴロゴロ……!!
「やばいっ!」
次の瞬間、腹に激痛!
本庄駅に着くなり、トイレに駆け込む。
「くそっ……何が原因だ!?スイカか!?メロンか!?それとも……」
「クックック……お前の腹の水分、全部抜いてやるよォ!」
——気づいた。
こいつは「脱水ドクロ」!!
紫外線魔王のもう一人の手下、体内の水分を根こそぎ奪い去る妖怪だ!
「ワシはな、熱波入道と違って、お前の体内から水分を搾り取ってやるんだよ……ダツダツダツダツ ……!」
脱水ドクロ
出現場所 本庄市 |
属性・・・妖怪 |
旅人を脱水症状に陥れる |
下半身にまとわりつき、ダツダツダツと水分を奪う |

僕の腰にガッチリしがみつくドクロ。
腹はギュルギュルと捻じれ、膝に力が入らない。
「こ、これは……やばい……!」
本庄駅のトイレ → 駅のベンチ の無限ループ。
「ほうれっ干物になれ〜! ダツダツダツダツ〜!」
30分以上、ただひたすら水分を奪われ続けた。
「このままでは……秋田までたどり着けない……!」
力を振り絞り、ようやく駅を出る。
もう足が勝手に動いているような感覚だった。
ついに秋田市へ!
日も傾きかけた午後5時15分。
秋田大橋を渡ると、目の前に広がるのは秋田市街!
「……やった。たどり着いた……!!」
しかし、僕の肌はもうボロボロ、腹は空っぽ。
果たして今夜、無事に宿にたどり着くことができるのか!?
— 次ページ、「秋田の夜」へ続く!!