風邪の引き始め——「紫外線魔王」の最終兵器
秋田駅に辿り着いた僕は、とにかく宿を探した。
ユースホステルに飛び込むも、すでに満室。
「満室か……、」
何もなければ野宿もありだ。
しかし、散々「紫外線魔王」やその手下の攻撃に遭い、
僕はボロボロだった。
太陽光に晒され焼かれ、乾涸びさせられ、脱水させられ、
その結果——
「風邪」の症状が出始めたのだ。
「ククク……ついに貴様の体力も限界か? ……!」
耳元でそんな声が聞こえた気がした。
野宿の危機と「ボディブローの出費」
「満室……」
「マジかよ……」
僕は秋田ユースの前でしばらく呆然と立ち尽くした。
駅で野宿するしかないのか?
でも、すでに寒気がひどく、頭がガンガンする。
これは完全に風邪の引き始めだ。
「この体調で野宿は……無理だ……!」
仕方なく、秋田駅周辺の宿を探し回る。
だが、どこも宿泊費は5000円を超えている。
安いユースホステルに泊まるつもりだった僕には、痛すぎる出費だった。
そして——
ここで 「メロンとスイカの呪い」 がボディブローのように効いてきた。
「……あの時、調子に乗って実家にメロンとスイカを送らなければ……!」
美味しそうに食べる家族の顔が思い浮かぶ。
でも、そのせいで今、僕はこの寒空の下で宿探しをしている。
「……まぁ、でも送ったのは後悔してないけどな……」
それにしても、安宿が見つからない。
「このままだとマジでヤバい……」
ついにはビジネスホテルの受付で、
「この辺で安宿ありませんか?」と聞く始末。
(客ではなく、他の宿を教えてもらおうとする失礼なやつ)
それでも、受付の人は親切だった。
「この辺りに、素泊まり3000円の宿がありますよ」
僕はもう迷わずそこに向かった。
温かい風呂と出汁の救済
なんとか宿にチェックイン。
部屋は古びていたが、そんなことはどうでもいい。
とにかく**「布団で寝られる」** ことが何よりも重要だった。
「あぁ……生き返る……」
温かい風呂に浸かると、
昼間の疲れと悪寒がじんわりと癒されていく。
そして夕食。
「今の俺に必要なのは……うどんしかない」
近くの食堂に入り、熱々のうどんを注文。
湯気が立ち上る丼を見た瞬間、
嬉しさが込み上げる。
一口、出汁をすする。
「……沁みる……!」
優しい出汁が、荒れた胃袋をじんわりと温めていく。
これこそが「旅人の回復魔法」 だ。
風呂と食事のおかげで寒気は少し和らいだが、
頭痛はまだ残っていた。
「……明日には治ってるといいな……」
僕は祈るように布団にくるまり、静かに目を閉じた。
「今日の体調不良は”紫外線魔王”の最終兵器なのか?」
「 それとも、単に俺がアホみたいに無理をしただけなのか?」
考える余裕もなく、僕は深い眠りへと落ちていった。
——明日、新たな戦いが待ち受けているとも知らずに。
反省会(16歳の僕と56歳の俺)
▶ 56歳の俺
「おい、日焼け対策って言葉、知ってるか?」
▶ 16歳の僕
「いや、あんまり知らなかったし、そもそも習慣として根付いてなかった。だからまた疎かになってしまって…。」
▶ 56歳の俺
「完全に”紫外線の鬼”にやられとるやないか!!!」
▶ 16歳の僕
「いや、ほんとに!日焼けって赤くなるだけじゃないんですね……!」
▶ 56歳の俺
「”紫”や!!”赤”を超えて”紫”!!紫外線の”紫”!!!」
▶ 16歳の僕
「でもさ、トレーナーを濡らして着るっていうアイデア、いいでしょう?」
▶ 56歳の俺
「確かに、現代の風が当たると涼しくなるウェアの走りやったかもな。
せやけど、それで”脱水ジジイ”にやられてたら本末転倒やろ!!」
▶ 16歳の僕
「確かに……でも、水ぶくれを見た乾涸び山姥、”皮膚がんになるわよ”は言いすぎじゃない!?もっと優しく言ってよ!!と思った。突き放すようで冷たすぎ。」
▶ 56歳の俺
「あの店員”紫外線の鬼”の手下やったからな……。こっちはボロボロの体で駆け込んでるのに、トドメ刺しにきた感じあるもんな。」
▶ 16歳の僕
「”紫外線の鬼”、”乾涸び山姥”、”脱水ドクロ”、の三重攻撃、堪えたわ……。」
▶ 56歳の俺
「でもな、お前な……」
▶ 16歳の僕
「え、何?」
▶ 56歳の俺
「メロンとスイカ送るの、めっちゃええやつやん!!」
▶ 16歳の僕
「うん!?家族に美味しい果物食べさせてあげたくて!」
▶ 56歳の俺
「せやけど、お前……送料含めて旅費2日分吹っ飛ばすとか、計画性ゼロやん!!」
▶ 16歳の僕
「うっ……まぁ、確かに。でも、きっと喜んでくれたと思うし!!」
▶ 56歳の俺
「ほんま、色々ボロボロすぎて”ラスボス戦前夜”みたいな状況やな。」
▶ 16歳の僕
「でも、うどん食べて、温かい風呂入って、なんとか持ち直したよ!」
▶ 56歳の俺
「せやな……明日は復活できるんか?」
▶ 16歳の僕
「わからんけど、寝るしかない……!」
▶ 56歳の俺
「そうやな。とりあえず、今日は”耐え切った”だけでも十分や。」
- あなたは日焼け対策を怠って、大変な目にあった事はありますか?
- また、旅先で体調を崩して大変な目にあった事はありますか?
コメントでぜひ教えてください!😊
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